匝文俳諧/駅伝双六 煌めく星座 | ouroboros-34のブログ

ouroboros-34のブログ

こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

回文俳句は、逆読みしても同じ文面の俳句ですが、もう一ひねりして、逆読みすると別の俳句になる、つまりひとつの俳句のなかに二つの俳句があるような句をアソビで作っています。
イロハ順に来てきょうは、最もムズカシイ(と思う)「る」です。

る——を 

ルドラクシャ/財施汲め裸来/綱の嘉を  (晩秋)
  るどらくしや ざいせくめらき つなのかを
丘の夏/煌めく星座や/慈救ら執る    (三夏)

季語:菩提樹の実(るどらくしゃ)・晩秋。
ルドラクシャ:【サンスクリット語】「シヴァ神の涙」を意味。瞑想していたシヴァの涙に芽生えた樹が菩提樹といわれている。ちなみに、このシヴァ神は、「破壊と創造の神」で、非常に短気なことでも有名。
財施(ざいせ):【仏】三施の一。仏や僧侶が貧窮者に物品などを施すこと。
綱(つな):数珠。
慈救(じく):【仏】慈救呪(じくじゅ)(不動明王の大中小の呪文のうち中呪)の略。

菩提樹の下で座禅を組み菩提樹の実の数珠をまさぐっている裸身の祖の君よ。裸の衆に施しを。有難いお数珠の功徳を。
 *
夏の丘。夜空、星座がきらめいているその下で、行乞者も一心不乱に呪文を唱えている。 

遠く西のほうで雷が鳴っています。夜はさすがに涼しい。礼儀正しいカミナリだなと思ったら、花火の打ち上げが始まった音なのでした。おやすみなさい。