逆読みすると隣の句。旧正月のお屠蘇が過ぎたようで。
羽目も箍(たが)も、はずれっぱなし。アテも外れて、ばればれのバレンタインデー。
○へがたとひ/びくにいでしし/ものにせよ
屁がたとひ/比丘尼出しし/ものにせよ
止せ布も/宍てい肉皮/ひと違へ
比丘尼(びくに):出家した尼僧。
布(にの):東北方言として万葉集に実例が収録されているよし。
宍(しし):人の肉付き。コケティッシュな色合いを帯びて「尻」のことを言う。
肉皮(にくひ):からだ。
てい:躰・態などの字を当てる。①外形を見た印象。②体裁。③名詞のしたに接尾語として付き、直截的な表現を避け遠回しにぼかしていう。~のようなもの。
俳句というより柳多留のほうですか。
比丘尼があろうことか透かし屁をこいたとしようか。事実はそうであっても、そこは大人の分別。
そんなお布施はいけないよ。その尻憎い。あらいやだ。ひとの所為にするなんざ、お人が悪い。失気(屁のこと。「転失気」ともいうらしい)の大人の捌きが信者の間で小さな旋風になったとさ。良かれとしたことが咄嗟の足を踏み外す。世間にはよくあることさね。ナマンダブナマンダブ。
とんだ破礼句で失礼しました。明日から気をつけます。
小学3年生のとき担任のオガサワラ先生から習った俳句に〈一大事/花嫁どうも/屁が出そう〉というくをならったのです。
今日は風が強い。
春風は名前に似ず強烈なり、一も二もなく、吹き倒さんばかりに老人の足元を払う。泉鏡花を詠んでいたらこんな文体になった。すぐ影響うけるのです。ではこの辺で。