さかしら伊呂波50撰(2)「み」モーツァルト  | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

回文短歌(逆読みしても同じ文になる短歌)を偉人をテーマに、イロハ順に作っています。
イロハ…今日は「み」です。テーマは「モーツァルト」です。

[み] モーツァルト
みづからの 羽音に追はれ 鴫(しぎ)の田の     
  軋(きし)れば鬼と 御(お)ば 野良勝見(かつみ)

  ———みづからの はおとにおはれ しぎのたの
     きしればおにと おばのらかつみ

———自分の羽音に驚いたかのようにシギは真菰の繁みを斜めに飛び立つ。あの鋭い擦過音は鬼かお化けの風切り音。魔笛パパパの二重唱。

鴫(しぎ):田鴫。青鴫。磯(いそ)鴫(しぎ)。七月から十二月にかけて日本に渡ってくる。なかには越冬するものもあるらしい。主に田地、沼地の泥湿地(じめじめしたところ)に多く、体上面は茶色と黒の交錯(まじりあい)、体下面は白い。俳句では三秋の季語。

  刈りあとや早稲かたかたの鴫の声   芭蕉(『笈日記』)

写真館の写真屋さんがシャッターを切るような音で鳴きます。カタカタとは聞こえませんでした。チビチビチーと鳴く声も聞きました。
御ば(おば):御(お)は文字。文字詞(もじことば)。「恥ずかし」の頭音。「お化け」の隠語。
勝見(かつみ):勝見草。真菰(まこも)の古名。イネ科の蘆に似た水辺に叢生する多年草。菰、花且見、勝見草、真菰草。俳句の三夏の季語。和歌に「真菰刈る」とよく詠まれている。根に甘みがあり水鳥が好む。
モーツァルト:Wolfgang Amadeus Mozart オーストリアの音楽家。ウイーン古典派。オペラ「魔笛」にパパパの二重唱がある。「御パ」のほうがよかったかな?


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この寒さ、年寄りには閉口です。と言って春も苦手。夏はクルシイし。秋、ですね、秋、秋、早く恋、秋。92回、秋を迎えたことになるのですけど、秋はアキナい。ヘイこの辺で…