髪の毛とゼノン | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

「アキレスと亀」前の記事のつづき……

どんな教訓が? 
鏡を見ていて———無精すると髯が跋扈するのです。家人が、アゴとアタマを取り換えられたらいいのにね、と笑います。確かに髪の毛は心細くなりました。
「でも、抜け毛はすくなくなっているぞ」
「じゃ、禿げにはならないかも、ね」

鏡を見ていて———アキレスと亀の原理が、こんなところにある、と思いました。

髪の毛が1000本あるとします。抜け毛が一か月に1割だとします。
始めの抜け毛は100本です。次の抜け毛は900本の1割で90本、次は810本の1割、81本、次は729本の1割、73本…

確かに抜け毛は90-81-73…目立って少なくなっています。
限りなくゼロに近づくものの、抜け毛ゼロにはなりません、元の毛がある限り。
最後はどうなるでしょうか。一本残った毛の1割短くなります。長さ10センチとすると9センチになります。次は9センチの1割9ミリ短くなって8.1センチになります。最後の最後になっても、どんどん短くなっていきますが、厳密にはツルッパゲになることはありません。
ゼノン万歳!禿げ頭バンザイ!

少し残っていた毛を引っ張ったら全部抜けてしまいました。
「アチャー」
毛根が根腐れするのを勘定に入れてなかった…!?
家人がとどめを刺します。
「回文なんか、やめたら?」
毛が生えるべきところに生えないで、生えなくてもいいところに生える、ってか。
ゼノンの原理から家人の原理へ! 老人優先席へ移るとしようかいのお。