[れ] ギリシャ神話
レダこれを 白鳥(はくてう)の下(した) 惑(まど)ひ恋(こ)ひ
攴(とまた)支(し)の腕(うで) 桑(くは)折(を)れ小垂(こだ)れ
———レダは白鳥の無理強いに体を縮めてもがいた。それは、「支」の腕の折れた「攴」のような桑の枝の小垂れに見えた。
レダ:ギリシヤ神話の女性の名。白鳥に変身したゼウスに犯され子を産んだ。
西洋の彫刻や絵画などの題材(モチーフ)となった。ヌードだったので、画家の没後、嫉妬に駆られた妻女たちによって破棄されたためか、あまり残っていない。ダヴィンチも描いたが残っていない。
攴(とまた):字は、「撲(ぼく)」と同義同音で偏旁(へんつくり)の意符としては、「打つこと」を意味しており、手(又)に棍棒を持つ様子を象(かたど)る。「攵」は変形省略形。トマタは攴繞(ぼくにょう)の俗称で、ト(と)と又(また)からできていることから。また、「しぶん」(「支」と「文」の中間の意)ともいう。
折れこ垂れ(おれこだれ):【動詞】下二段。体を折り曲げる。「折れこ垂れ身をなきになして舞ひたりし」(弁内侍日記)
ところでゼウスを非難するヒトが皆無なのですが、神話の限界———不倫は最高、と言ってるとみていいのでしょうかねえ。
◆◆
回文短歌を随分つくりましたのでまとめてみました。最後の「京」までなんとか行けそうな気がしてきました。今日は例の「レダと白鳥」で有名なレダにしました。
[い] トルストイ [ろ] 松尾芭蕉 [は] サン=テグジュペリ [に] パスカル [ほ] モンゴル民話 [へ] ヘミングウエイ [と] ゴーリキー [ち] 屈原 [り] 千利休 [ぬ] A.A.ミルン [る] コロンブス [を] ジャン=ジャック・ルソー [わ] シェークスピア [か] リチャード・バック [よ] 紫式部 [た] 法然 [れ] ギリシャ神話
こうしてみるとかなり豪華な顔ぶれです。デキのいいものとよくないものがありますが、「量は質を変える」とマルクスも言っているし変質を期待しています。そうそう、マルクスがまだでしたね。候補に入れてボチボチ考えてみます。