回文短歌いろは歌留多「よ」その15 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

[よ] 紫式部

余燼(よじん)蹴(け)る 蛾(が)眉(び) 火(ひ)粉(こ)の舞(ま)ふ 
  紫青海(しせいがい)
  せし不磨(ふま)の恋(こひ) 光源氏(ひかるげんじ)よ

———藤壺は光源氏との不倫の熾火のような想いを断ち切ろうとするのですが、光源氏は青海波を舞ってみせ、変わることのない恋情の秋波を御簾の中の藤壺へ送るのでした。

蛾眉(がび):①蛾の触覚が美しく反っている形から、細く形よい眉。②美人。③三日月。眉月。ここでは②で、藤壺をいう。
紫青海(しせいがい):紫式部と青海波(せいがいは)。
青海波(せいがいは)は雅楽の名。源氏物語第七帖「紅葉賀(もみじのが)」で、主人公・光源氏が頭中将と共に、十月に行われる朱雀院行幸のための試楽で舞ったことで有名。
不磨(ふま):すり減らないこと。永久に無くならないこと。不朽。不滅。

王朝ものだから美しい、白日夢だから……遊びだから……。
およそ芸術は架空を前提条件にして成り立つブレインストーミングである。……かな?

王朝絵巻をながめていて「とりあげばや」と思い立ちました。名にし負う源氏物。もう一回ぐらい取り上げないといけませんね。
いやさ、お富、が、取り上げ婆になってしまいました。
暑い夏になりそうです。
「夏」といえば怪談。となれば夕顔あたりでキマリですかね。