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平(へい)旦(たん)に 老人と海(らうじんとうみ) 読(よ)み終(を)ふを
見(み)よ見(み)疎(うと)んじ 心(うら)忍耐(にんたい)へ
———「老人」が明け方漁港に帰り着いたとき小説を読み終えた。僕のこころはすっかり老人の忍耐力に打ちのめされ、最後のところを見落としていた。僕は、気が付いたらカジキマグロだった。
平旦(へいたん):「平」は、ちょうどその時に相当する意。「旦」は、夜明け。暁どき。
『老人と海(ろうじんとうみ)』:The Old Man and the Sea は、アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイによる短編小説。。世界的なベストセラーであり、ノーベル文学賞受賞に寄与した作品でもある。
キューバの老人と釣った巨大なカジキの壮絶な死闘。獲物が大きすぎて舟に引き上げられず、横に縛りつけて港へ戻る。しかし、傷ついた魚から流れる血の匂いにつられ、こんどは肉を食いちぎるサメの群れと、老人は必死に闘う。ようやく漁港にたどりついたとき、仕留めたカジキは巨大な骸骨になっていた。
心(うら):こころ。現代語には、占(うらな)い・裏腹(うらはら)・裏(うら)、などの形で残っている。
実は「老人と海」は、老人が港について小屋に帰り着いてからの描写が素晴らしいと思うのですが・・・