旧暦七月七日 七夕
立秋八月七日~八日
茶の楉七夕は涙枝斜すの野致
———ちやのすはえたなばたはなだえはすのやち
楉(すわえ):すんなりとまっすぐな枝。
野致(やち):鄙びた味わい。野趣。
七夕は悲しい物語だ。茶席の床には、折角の細くまっすぐな若枝を斜めに撓めて活けてある。確かに野趣には富んでいるが……
「七夕」の傍題でもう1句。
●ひよこ潮屑波懐く星今宵
———ひよこしほくづなみなつくほしこよひ
星今宵(ほしこよい):七夕の傍題。
回文俳句では、「星(ほし)」は「潮(しほ)」と必ずセットででてくるので、便利なようで陳腐になりがちで、煩わしいことがあります。