俳句ポスト365第183回兼題「炭」17句投句。
●炭まみれ軍手の腕の白さかな
すっとできたはじめての〈炭」の句。「炭」の本意をはずれて、腕の白さが強調されてしまった。
●町へゆく木炭バスは午後一本
「木炭バス」は、埒外だとのこと。季語とは関係なく一年中走るものだから。
●饒舌な樫朴訥な炭その烈火
作者の気負いがいじらしい。
●三更に尉が立つまで聴く奇譚 「人」位選
三更(さんこう):五更の三番目。午前零時前後2時間。「両夜」と同じ意味です。
尉(じょう):白い灰になった炭火
●静かなり燠に継ぎおくこぼち炭
俳句の宗匠になった気分。ニセ芭蕉の正体表れたり!
●炭熾る奔る湯玉の灰神楽
ズッコケタ! 童謡じゃないんだから…
●炭熾る目で横たへる火吹き竹
目が口ほどにものを言う、はずだった…
芭蕉の「佐渡に横たふ…」よりマシでしょうけど…
●座敷わらし森の気泡は炭のなか
このテは古い? はいわかりました。
●炭俵わがやの玉は此処に眠る
猫の墓です。炭俵は、別の季題としてあるらしい。
●桜炭春になったら芽をだせや
川柳っぽいですが、ウロの一番好きな句です。
哀愁感に満ちていて、思わずもらい泣きするという…え? しなかった?
●炭灰燼いぶかることのなんがなし
ちょっと意味不明。作ったときは意味鮮明だったのですが?!
●炭撥ねるいっしょにはねる太郎坊
太郎坊:京都愛宕山に棲むという天狗。「天狗」はよかったみたい。はねたのがマズカった。
●炭熾る砂鉄を新刀分娩す
兼題無視。刀鍛冶の句がほかにいくつかあったから良しとするか。
●熾る炭崩れるときの白きもの
チャタレー夫人の恋人も後期高齢者になりました。
●木炭走る機関車が追ふ――キャンバス
スケッチの指先で軽くつまむ木炭の感触が大好きです。これで一句といったのですが・・・
本意からはずれていたのです。この句わかりますか?
要するに、汽車の絵を描いているのです。木炭はスケッチの下絵筆です。
●木炭をつまめば画布に黒い火が
これも同じ趣旨なので無季の句になっちゃいました。
以上失敗の原因を連ねました。参考になさってください。皆さんの当選一等を祈ります。