新聞を読むようになるまでは | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

     新聞を読むようになるまでは…

アンタはよく笑う子じゃったがね
新聞を読むようになるまでは――

目が合うともう笑いたくて
笑いたくてしようが無いように
見開いた眼はもう半分
笑いかけている
笑いかけてくるその口をいっぱいに開いて

文字を知りたがり
コトバに興味をもちはじめてから
だんだん笑わなくなった
   世の中は蒙昧で侫悪で暴虐的で――
   政治的で経済的で
   合理的で量産的で――

笑っていてはとても生きていけない
というが如くに
笑っているのはほとんど現実的でない
といわれた如くに

やっていい悪いこととやらなくてもいい善いことの
実例を新聞は  ――毎日満載している
殺人がほんとはいいことだ  ――丁寧に解説してある
   首狩り族が部分日蝕のとき跳梁したように
   白昼…法律を体して…旧昭和の官憲が…またぞろ
   法律を介して…跋扈する

耳にしたことがあったのかな あれホントウだったのかな

アンタはよく笑う子じゃったがね
新聞を読むようになるまでは