カツカツ的生活 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  こないだトンカツ喰っていたら隣のテーブルで女の子が、女の子と言うとセクハラになるのかね、カタハラ痛い世の中になったね、若い女性サマが三人で笑っていた。
ときどきとんかつ、とんかつって聞こえたのでてっきりオレをバカにしていると思って帰ってからカアちゃんに言いつけた。

オレ「年寄りだってトンカツぐらい喰うさ」
カアチャン「あなた耳が悪くなったわね。トンカツじゃないのよ。女性の会話でしょ? コンカツなのよ」
オレ「混かつ? 古い肉、混ぜてんのか?」
カアチャン「結婚活動。略して婚活。いい会社を選ぶのはみんないい相手をみつけるためなのよ。自分の会社のほかにも合コンといってヨソのお勤めまで範囲をひろげているの」
ムカシはこういうのを「漁色」と言ったもんだ。はしたないとされたもんだ。こいつぁ、春からウカツで御座んした。

別の日シューカツというのを聞いた
婚活のたぐいだろうと考えたがよくわからない。シュー活?? シューマイの親戚筋に当たる?
カアチャンに訊いたら「就活」だという。なるほど。
でもさあ……同じ略語でも「婚活」はまだわかるよ。だが「就活」では意味がとれない。
オレ「就職活動なら職活というべきだよ。ホンキで仕事をする気なら「労活」とかね。就活なんてどこのバカが造ったんだあ? トンチキ野郎」

仲間意識が醸成されやすいところ、中学高校をはじめとしてヤクザや警察や囲碁・俳句などの同好の会は隠語、ジャーゴン、符牒ができやすい。

かつ、概して言葉を汚くする。
おもしろがっているうちに言葉が乱れて悪く崩れてゆく。
言葉は変わるものだとうそぶいているうちに美しい言葉が醜悪になってゆく。
はじめ腹蔵なかった言葉が腹蔵アルコトバに変調してゆく。

言葉の蓄積が伝統文化を担うものとしてしだいに練れて磨きがかかり表現がゆたかになってゆくはずのものが廃れてあたら廃語になってゆく。

――文化もこうして変貌する。衰退する。

オレ「カツ子は学校からまだなのか?」
カアチャン「ブカツだって。――あなたのシューカツはそろそろ終活のほうね」

オレをドーカツする気かあ!