![]() | つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫) 筑摩書房 2005-11 売り上げランキング : 3394 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
不思議なことが何一つ起こらないけど、不思議な雰囲気というのが、好きな小説ジャンルのひとつです。本書はまさにそんな作品です。月舟町という架空の町にある小さな商店街に住む人達の物語。主人公は人工降雨装置を夢見る男性。彼が行きつけの「つむじ風食堂」で顔なじみになった近所の住人とのささやかな触れ合いが静かに美しい文章で語られていきます。静かに時間が流れる商店街で繰り広げられる、ほぼ理想に近い距離感の近所づきあいに心引かれてあっという間に読了してしまいました。もっともページの余白が多くて、つむじ風で飛ばされてしまいそうなくらい薄い本なのですが。。。
イメージとしては、昔読んだ池澤夏樹の「スティル・ライフ」とか吉本ばななの「キッチン」のような感覚でした。どちらも20年以上も前の古典ですけど。とか、書いていたら映画化されていたんですね、この作品。公開は終わってしまったようなので、DVDがでたらチェックですな、これは。
< はみだしblog>
歩きながらコートのボタンをはめようとすると、決まってスーツのほうにはまってしまうのは、私だけ?