素数の応用問題 解答2 | 元国立医学部生 数学の定石 鉄則を解説します

元国立医学部生 数学の定石 鉄則を解説します

国立医学部を卒業し、現在医師として働いています。頭の体操も兼ねて、趣味で大学受験の数学の問題を解いてます笑
勉強方法や、オススメの問題集を紹介していきます。ひとりでも多くの難関大の受験をする人の役にたてればと思います。

素数の応用問題 問4〜6の解答です

問題は以下でした。


まずは素数のポイントを復習しましょう

point 素数のまとめ 以下pは素数とする

①素数の定義:正の約数が1と自分自身の2個である自然数

 例 2.3.5.7.11.13.17・・・

②素数を含む方程式を見たら⇨素数=(整数)×(整数) の形に変形する(積の形に変形)

 例 p=mn m,n:整数 ⇨(m.n)=(p,1)(1.p)(-1.-p)(-p.-1)の4パターンしかないことを利用する問題が非常に多い!!

③素数で偶数は2のみ! 素数の中でも2だけは特別扱いしよう

(同様に素数で3の倍数は3のみ)

④3以上の素数は全て奇数であることを意識する

⑤5以上の素数は6で割った余りに着目すると p=6k±1 と表せる

⑥素数を見つける問題は実験⇨推定⇨証明の流れ で考える

 証明は3の剰余で考える (と解ける問題が多い)

⑦素数+素数=素数 の時、左辺のどちらか一方の素数は必ず2になる

⑧pはp-1以下の全ての自然数1,2,3,...p-1と互いに素である

⑨pCk (1≦k≦p-1)はpの倍数

⑩pが素数でないならば、p=mn (m,n:1より大きい自然数)とおける

 

それでは、解答です







解説

問4 

難問です。これが解けたらかなり自信を持ってよいと思います。まず、『素数の中で2のみは特別に考える』ので、a.b.cの中に2が有るのでは?と考えます。そうすると、a.b.cの大小関係が気になりますので調べます。

すると、cが1番小さいことがわかるので、cが2かそれ以外かで場合分けをする流れになります。

②③を導ければ、②③を満たす素数a.b.qを求める問題に帰着します。素数を求める問題は、実験⇨推定⇨証明の流れ+3の剰余で考えるのが定石ですので、実験するとq≧5ではa.bどちらかが3の倍数になることに気づくはずです。



問5

素数+素数=素数では、左辺の素数のうち一方が2になるのでした。a+b=素数(a<b)であるこたから、a=2を導きます。これさえクリア出来れば、あとは、素数を見つけよ問題のお決まりの流れでしょう。


問6 

こちらも難問ですが、学ぶべきポイントの多い非常に質の高い問題です。個人的には、整数問題の中でナンバー1に好きな問題です。

初見で解ければ、整数問題に関しては相当な実力があるでしょう。数多くのポイントを含んでいますのでぜひ、丸暗記して欲しい問題です。必ず何処かで役立つ時が来るでしょう。

まず、dを2pで割った余りが1であることを示すのに、d-1が2の倍数かつ、pの倍数であることを示す問題に帰着させるのが最初のポイントです。素数を含む方程式の定石を使うために、積の形にすべくa^p-b^pを因数分解しますが、この因数分解は普段の問題演習で中々経験する機会はないかと思うので、準公式として覚えておきましょう。

pが素数の時、pCk(1≦k≦p-1)はpの倍数になる知識も途中で出てきます。誘導無しでこの知識を使用する必要がありますので、京大受験生にはマストの知識だということです。解答では、証明を省きましたが、試験本番では書きましょう。

最後に、a =b+1より、a.bは隣あう2数なので偶奇が異なる ということも、解答を読めば当たり前ですが、自分でそれを用いてa^p-b^pが奇数になることを見抜くのはかなり整数のセンスを要するのかなと思います。総じて、受験生には解答途中で乗り越えるべき壁が多く、難しい問題であると思います。だからこそ学ぶべきことが多いので、この問題を通して今一度素数のポイントを復習してください!