素数の応用問題 解答1 | 元国立医学部生 数学の定石 鉄則を解説します

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国立医学部を卒業し、現在医師として働いています。頭の体操も兼ねて、趣味で大学受験の数学の問題を解いてます笑
勉強方法や、オススメの問題集を紹介していきます。ひとりでも多くの難関大の受験をする人の役にたてればと思います。

素数の応用問題 解答編1です 問1〜3までの解説です。 

問題は以下でした。


まずは、素数の知識を復習しておきます。


point 素数のまとめ 以下pは素数とする

①素数の定義:正の約数が1と自分自身の2個である自然数

 例 2.3.5.7.11.13.17・・・

②素数を含む方程式を見たら⇨素数=(整数)×(整数) の形に変形する(積の形に変形)

 例 p=mn m,n:整数 ⇨(m.n)=(p,1)(1.p)(-1.-p)(-p.-1)の4パターンしかないことを利用する問題が非常に多い!!

③素数で偶数は2のみ! 素数の中でも2だけは特別扱いしよう

(同様に素数で3の倍数は3のみ)

④3以上の素数は全て奇数であることを意識する

⑤5以上の素数は6で割った余りに着目すると p=6k±1 と表せる

⑥素数を見つける問題は実験⇨推定⇨証明の流れ で考える

 証明は3の剰余で考える (と解ける問題が多い)

⑦素数+素数=素数 の時、左辺のどちらか一方の素数は必ず2になる

⑧pはp-1以下の全ての自然数1,2,3,...p-1と互いに素である

⑨pCk (1≦k≦p-1)はpの倍数

⑩pが素数でないならば、p=mn (m,n:1より大きい自然数)とおける


それでは、解答です。






解説
問1  知識①の利用
京大模試過去問からの出題です。素数を含む方程式なので、何としても素数=mnの形を作るために、強引に因数分解をします。この式変形は、慣れてないと厳しいかもしれません。

問2 知識③⑤⑥⑦の利用
京大過去問からです。素数+素数=素数では、左辺の2つの素数のうち一方は2になるのでした。あとは、q^2+2^qが3の倍数になることを示すのに、方針1として合同式を用い、方針2では、5以上の素数は6k±1の形になることを用いました。

問3 知識③⑤⑥の利用
京大過去問からです。実験するとn≧5ではn^2+2は3の倍数になることがわかります。   


『素数を全て見つけよ』問題は、総じて、やることが決まっていますので、ぜひ得点源にして下さい。
背景を考えますと、素数は1つ見つけるだけでも、数学コンピュータを用いて何年もかかる作業です。
我々、数学者ではない一般人が見つけられる素数など、たかが知れています。よって、受験問題で見つかる素数など、せいぜい2.3.5.7.11.13.17.19.23.29位まででしょう。