O 2022年の大晦日、対談するテーマは『シン・ウルトラマン』なんですが、最初に言っておきたいのが今回は初めてオンラインで対談を行っています。働き方改革の波が我々にも押し寄せていますね。
T 働き方って、別に僕らはこれが職業なわけじゃないだろ(笑)。
O そうなんだけど、時代の波に乗っていることをまずは冒頭で言っておきたかった。
T コロナ禍になってもう3年近く経つから、今さら感はあるんだけどね。
O まあそもそも時間が経つとこの企画自体のことを忘れてしまう我々なので(笑)、致し方ないことなのですが。
T 本来はもっと早くやるべきだったのかもしれないけどね。でもオンラインでも変わらず熱を伝えられるといいですね。
O 前置きはこのぐらいにして『シン・ウルトラマン』の話に入っていきましょう。僕は1か月ぐらい前にアマプラで観たので、詳細は忘れてしまっている部分もあるかもしれないけど。
T 僕は映画館で観たからそれよりさらにずっと前だよ。
O 映画館で観ようかともちょっと思ったんだけど、当時は無職だったので、職探しをしているときに映画を観に行くのもどこか後ろめたさがあって(笑)、結局観に行かなかった。そうしてるうちに熱も冷めて忘れてしまったんだけど。
T 映画館には行かないけどサブスクは入ってるって、その違いもわからんけど(笑)。
O 気持ち的にちょっと違うんだよ(笑)。それで今日話したいと思うのは、この映画はけっこうマニア向けなのかと思っていて、昔の『ウルトラマン』を知っていると面白く観られる部分がたくさんあるけど、予備知識がない人が観てどう思うのかが気になっていて、ウルトラの知識があまりない状態で観たT君の感想を聞いてみたいと思った。僕は元祖『ウルトラマン』に肩までどっぷり浸かってるから(笑)。
T まずO君がウルトラマン好きだったというのを初めて知ったんだけど。
O 子供の頃テレビで、それこそ今回の作品の下敷きになっている初代『ウルトラマン』の再放送とかよく観てたから。
T 僕も観てたには観てたけど、小さかったから全然覚えてないな。ゼットンが出てるとかはわかったけど。
O そう、ゼットン!ゼットンに関して話したいこともあるんだけど、まだちょっと早いかな。
T では時系列で最初のほうから話していくと、ウルトラマンが登場する前の展開、たくさんの種類の禍威獣が次々に出てきて、それを倒していくところがあったけど、あそこの展開が早すぎて、個人的にはもっとそこに焦点を当ててほしかったかな。
O いいところに注目しましたね。ここでもう出ましたね、我々ウルトラ界の人間と一般の方との差が(笑)。最初のハイライト的に展開されていた部分はウルトラシリーズにおいて『ウルトラマン』の前身にあたる『ウルトラQ』という作品のパートなんだよね。『ウルトラQ』から『ウルトラマン』に至る流れを、ハイライトで紹介しているのがあの部分。最初にウルトラマンが戦うネロンガから『ウルトラマン』のパートが始まるんだね。
T 当時はハイライトじゃなかったんだよね?
O もちろんそうだよ。『ウルトラQ』というタイトルで毎週放送されていた。ここでもう一つ、庵野先生がウルトラマンマニアなんだなと思うのが、最初のハイライトに出てくるパゴスと、ウルトラマンが戦うネロンガ、ガボラという禍威獣は、元祖のほうではすべて同じ着ぐるみが使われてるんだよね。同じ着ぐるみにそれぞれ別の改造を施して使い回していた。だから我々からするとこの3体をチョイスしたところにマニアっぽい、なんとも気持ち悪い(笑)感じを受けるんだよね。
T なるほどね。ここまで聞いてて思ったのは、やっぱり僕とO君はスタートが違うね。O君は『ウルトラマン』→『シン・ウルトラマン』という流れの視点で観てるけど、僕は庵野作品の実写版である『シン・ゴジラ』→『シン・ウルトラマン』という流れで観てるんだよね。だから対比する作品は『シン・ゴジラ』であって、『シン・ゴジラ』にあったゴジラと人間の戦いを、今回は禍威獣と禍特対で観たかったって思いがあるんだよね。そりゃあ僕も子供の頃はどうせ人間が戦ったって勝てないんだから早くウルトラマン出せよって思ってたけど(笑)。
O そういう視点だと、『ウルトラQ』はウルトラマンが出てこなくて、人間の力だけで怪獣を倒していくシリーズだったけどね。そういう意味で『ゴジラ』と『ウルトラマン』をつなぐ存在になったシリーズだと思うし、『シン・ウルトラマン』の冒頭に『ウルトラQ』のハイライトを入れたのも、『シン・ゴジラ』からつなげる意図があったのかもしれない。
T まあ、そういう流れがあったとしても、僕は庵野作品だからこの映画を観に行っているので、どうしても見方は他の庵野作品との比較になっちゃうけどね。
O それと、ウルトラシリーズを見てきた人間が感じる面白さにも2つの側面があると思う。一つは昔から変えないことの面白さで、もう一つは昔から変えたことの面白さ。前者では例えば音楽。これは『シン・ゴジラ』もそうだったけど、昔の音楽をそのまま使ってるんだよね。映像は霞ヶ関のオフィスなのに、音楽は昭和『ウルトラマン』の科学特捜隊の基地でかかる音楽がかかっている。そのギャップが面白いと思った。
T 音楽を担当したのは今回も庵野秀明の盟友・鷺巣詩郎だからね。方向性はぶれてないかもしれない。
To Be Continued...