O 早いものでもう大会が終わって2週間が経ちますが、FIFAワールドカップ・カタール大会について語っていきましょう。

T そもそもワールドカップを取り上げるのは今回で何回目だっけ?

O まず最初にシリーズ化するつもりなしに「サッカーW杯」として南アフリカ大会以前についてざっくり取り上げていて、その後ブラジル大会、ロシア大会で今回が4回目だね。

T もうそんなになるか。過去の回を復習してから臨むべきだったな。同じことしゃべったら恥ずかしい(笑)。

O 別に同じことしゃべってくれたっていいですよ(笑)。でもこれだけ回を重ねてきたから、僕の中ではもう人生の一里塚のような位置づけになってきているね。

T 4年に1度っていうのも定点観測するにはちょうどいいタイミングかもね。

O そして毎回恒例で確認している、結婚しているかしていないかのくだり(笑)。

T (笑)。そのくだりこの対談に入れる?

O いつも入れてるよ。もうほぼそれをやりたいがためにワールドカップを取り上げてるようなもんだから(笑)。それが今回はとうとう変化が起きまして、T君が結婚されましたね。

T ま、まあプレイベートなことはいいじゃない(笑)。

O なに恥ずかしがってるんですか(笑)。こっちは相変わらず独身で全く変化なしですが…。前回のロシア大会のを見返したら、次のカタール大会ではさすがに結婚してるよとか大口を叩いてるんですね(笑)。

T (笑)。それもう完全にフラグになってるよね。

O だからもう今回はこう言っておきますよ。北中米大会ではまだ独身です(笑)。

T なるほど、逆の発想ということね。

O で、こういう予言は当たっちゃったりするんだよ(笑)。

T では4年後も対談してどうなったか定点観測しないとね。

O もう前置きだけでだいぶ時間使ってますよ(笑)。

T まだ何もサッカーの話してないよね。これだけでその1が終わっちゃうんじゃない(笑)?

O もうこれだけで1回分使えちゃうぐらい、このテーマは我々にとってはメインコンテンツになってますね。

T ではいよいよ本題に入って、大会を振り返りますか。

O まず、今回はいつもと違って冬の時期に開催された大会でしたね。現地カタールは暑いので関係ないかもしれないけど、日本で観てる者からすると、季節感がいつもと違ってそれが印象的だった。

T 史上初ってフレーズをよく聞いた大会だったね。時期もそうだったけど、中東で初めての開催だったし、それによって番狂わせも多く起きたのかとは思うね。

O お、もう出ましたね!1つめのキーワード「番狂わせ」。

T いや、まだちょっと早いな。それは一旦置いといて…

O え、もうテロップ出ちゃいましたよ、「番狂わせ」って(笑)。

T (笑)。まだちょっと待って。今までは夏の、クラブチームのリーグ戦がシーズンオフの時期に開催していたのに、なんでリーグ戦を中断してまでこの時期にやったかっていうと、それはカタールの気候が暑くて夏は開催できないからで、ではなんでカタールという秋田県の面積ぐらいしかない国でわざわざ開催したのかというと、だんだんきな臭い話になっていくんだよね。

O そう言われると、なんで気候が合わないカタールであえて開催したのかは気になるところだね。

T でもそれを言っちゃうと赤道近くの国では永久に開催できないことになっちゃうから、それはいいとしても、今回のカタール開催についてはどうも政治的な動きがあったんじゃないかと囁かれているね。

O 政治的な話に踏み込んでいくのもこの対談の主旨とは違う気がするから、そこは掘らないようにしたいな。

T でもカタール開催の良い面もあって、国土が狭いからスタジアム間が近くて観やすいというメリットがあった。

O たしかにどの試合にもインファンティーノ会長が映り込んでいた気がするな。

T そう、インファンティーノ会長がどこにも出現できるぐらい観やすかったってことなんだよね。東京オリンピックも批判されたけど、それと比べものにならないぐらいスタジアム建設にもお金をかけてるみたいだし。

O そういや大会用に建設したスタジアムを、大会が終わる前に壊し始めてるってニュースも見たな。

T コンテナにしちゃうんだよね、たしか。他には日本の国立競技場では幻となったザハハディドの設計したスタジアムがあったりとか、スタジアムの中が冷房効いてたりとか。

O そうそう、空調が効いてたみたいだね。で、1か所だけ空調がないスタジアムがあって、実況がこのスタジアムは空調がないというのをやたら強調していたのが気になった(笑)。

T それがコンテナを組み合わせて作られててもう解体されちゃったスタジアムだね。でも冷静に考えたら、秋田県ぐらいの面積の中に5万人とか8万人とか収容できるスタジアムがいくつもあっても、その後どうするのって話だよね。

O まあ、普通に考えたらそんなにいくつもいらないよね。

T オリンピックもそうだけど、開催後のスタジアム問題はどこにも必ずつきまとってくるね。

O そうだけど違うんだよな、こういう話がしたいんじゃないんだよ。ハコモノとかガワの話はもうたくさんだよ(笑)!本題のサッカーの話に入ろうよ。

 

To Be Continued...

T キャスティングはどうだった?斎藤工は個人的に好きだし、あのミステリアスな雰囲気も合っていて良かったと思うんだが。

O 僕は山本耕史が良いと思ったね。

T そう、そうなんすよ(笑)。

O 僕は今年、大河ドラマの『鎌倉殿の13人』も観てたんだけど、『鎌倉殿の13人』にも山本耕史が最初から最後まで出てて、そっちでも何を考えてるかわからない食えないニヒルな奴を演じてたから、それがメフィラスともリンクして面白かった。僕の今年の個人的アカデミー賞は山本耕史で決まりだね(笑)。

T たしかにメフィラスが出てきてから全部持ってかれたと思ったね(笑)。山本耕史は『新撰組』の土方歳三のイメージが抜けなかったけど、ついにそれを上回るキャラが出てきたなと思ったよ。

O メフィラスのパートをメインにして作りたい感じは伝わってきたね。地球の存亡に関する話し合いを居酒屋でするのとかも(笑)、面白がって入れてきている感じがすごくした。

T メフィラス構文というのも流行ったよね。

O 「私の好きな言葉です」ってやつね(笑)。

T 流行語大賞にノミネートされるかと思ってたんだけど。

O でも『シン・ウルトラマン』自体がそんなにハネなかったから…(笑)。ちなみに居酒屋で地球の存亡を話すシーンは、元祖ウルトラシリーズを知ってる人間からすると、『ウルトラセブン』に出てくる民家でちゃぶ台を挟んでセブンとメトロン星人という宇宙人が同じように地球の存亡を話し合うシーンを意識したのかとも思ったね。庶民的な空間の中で実は宇宙人との地球を巡る対話がくり広げられているという面白さ。それを入れたかったのかと。

T なるほどね。割り勘にするくだりも面白かったよね。

O 変にリアルだよね。

T たしか劇場でも笑いが漏れてた。展開的にも、その前にザラブ星人が出てきてて、食えない面白い奴が出てきたなと思ってたら、もっと面白い奴が出てきた(笑)。あのいかにも表面的な笑顔を貼り付けてます感の演技がうまいよね。

O やっぱり山本耕史いいよね。『鎌倉殿の13人』でも事あるごとに寝返ろうとする役だったし、2つの作品を観てハマっちゃったよ。

T 斎藤工との住宅のCMもいいよね。

O 「お邪魔するぞ、斎藤工」ってやつね(笑)。あのCMって絶対『シン・ウルトラマン』を意識して作ってるよね。

T 間違いないでしょ。「人類は…」とかって台詞も出てくるし。でもあえて言わずに思わせぶりなところがいいと思ったな。

O そろそろここらでゼットンの話をしてもいいかね?

T 先に確認しておきたいんだけど、ゼットンってもともとはああいうものじゃなかったよね?

O お、良い質問ですね(笑)!この後の話をするのに、その質問はすごく良い入りだと思うよ。

T 光の国から送り込まれてきた最終兵器みたくなってるけど…。

O それもおかしいんだよね。光の国側が口封じのために地球を消そうとするみたいな過激な展開になってる。

T 光の国は味方じゃないの?って。ゼットンを送り込んでくるゾフィーもウルトラ兄弟の長兄的な存在だったはずだよね。

O 山本耕史じゃなくてお前が寝返っとるやんけ!って(笑)。

T メフィラスもゾフィーの姿が見えた瞬間、自分は退くかって感じだったよね。

O その展開もおかしいんだけど、ゼットンの設定自体も変わっていて、元祖『ウルトラマン』だとゼットンはウルトラマンと同じぐらいの大きさなんだよね。

T 今回はめちゃくちゃでかくなってるよね。

O そのでかくしてるのが、『空想科学読本』という本でゼットンについてダメ出しがされてたんだけど、ゼットンは1兆度の炎を吐くって設定があるのね。で、その1兆度の炎を作り出すには地球よりはるかにでかい大きさじゃないとならないとか、1兆度の炎なんか吐いたら地球はおろか銀河系全体が吹っ飛ぶとか、そういう検証がされてて、そこを忠実に守ったんだと推測してる。ゼットンの大きさよりも、1兆度の炎のほうを優先したっていう(笑)。

T (笑)。まさかそれを読んで?そうとも思えないけどなぁ。

O ネットで調べた限りではこの話はウルトラ界隈では有名みたいだから、『空想科学読本』から直接影響を受けたかはわからないけどね。でもこのゼットンを見たときに庵野先生はやっぱりマニアの気持ちがわかってると思ったね。

T まさかこういう使われ方をされるとは思わなかったけど、でもやっぱりラスボスはゼットンじゃないとと思うところはあったね。

O そもそも名前がアルファベットの最後の「ゼット」と50音の最後の「ン」の組み合わせだからね。最後に出てこなきゃいけない存在なんだよ。

T それにゼットンは圧倒的に強くないと面白くないからね。

O この作品を全体的に振り返ると、僕自身は面白かったけど、どこまで万人受けするんだろうというのは観ながら気になっちゃったね。『シン・ゴジラ』ほど世間に響かなかったのは、やっぱりマニアっぽさが強かったからなのかな。

T いろんな要素を詰め込みすぎたかなって気もするな。『シン・ゴジラ』のほうが人間VSゴジラという構図がわかりやすくてシンプルだったと思う。

O けっこうビックリするぐらい残ってないというか、今年公開の映画だったはずだよね?って思うぐらいその後話題に出ないよね(笑)。

T 興行成績的にもそこまで伸びなかったのかと思うし。次は『シン・ウルトラセブン』を作ろうという話は出ないかもしれないね。

O でも次は『シン・仮面ライダー』が予定されているんだよね?

T そうそう。僕は『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』で三部作という受け取り方をしているよ。

O 仮面ライダーは子供の頃もほとんど観てないから、『シン・仮面ライダー』は観ないかもしれないな。

T いやいや、『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』と来たんだから、『シン・仮面ライダー』も対談しないといけないんじゃないの(笑)?

O う~ん、そうなってきますかねぇ(笑)。

T というプレッシャーをかけたところで(笑)、ここらでお開きとしましょう。

 

The End.

O もう一方の変えたことの面白さとしては、ウルトラマンのカラータイマーを無くしたことがあると思う。

T はいはい、それもマニアにはたまらなそうなポイントだね。

O ある番組で樋口監督がインタビューを受ける中で言っていたんだけど、もともと元祖ウルトラマンのデザインを作った成田亨さんという方はカラータイマーを付けることに反対していたらしいね。制作の過程で後から付けられてしまって、成田さんは後々まで「あんなもん付けやがって!」と言っていた(笑)という話があるらしくて、それで今回は思い切ってカラータイマーを付けない造形にしたみたいだね。そういうのは新しい解釈が入って面白いと思ったな。

T あれはビックリしたね。カラータイマーって、最近のウルトラマンにも付いてるよね?

O 最近のはちょっとわからないな。昭和専門なので(笑)。

T 子供の頃のイメージではカラータイマーこそがウルトラマンだったんだけどね。それが無ければただの塩ビ人形じゃん(笑)。

O おいおい、正義のヒーローやぞ(笑)!

T 3分しか戦えなくて、残り1分でカラータイマーが鳴り出してからがようやく本番だったと思うんだが。そして前の2分に比べて残りの1分がやたら長いのがお約束だったと思うが(笑)。

O 「ウルトラマンは地球では3分しか戦えない」ってナレーションが入ったりするんだけど、あれ?もう3分経ってない?って(笑)。

T そういうツッコミどころがあるのも含めてのウルトラマンだったと思うんだけどね。それが無かったら無限に戦える、永久機関搭載のウルトラマンかよってなるよね。あ、今のはエヴァのネタなんだけど、わからない(笑)?

O すみません、エヴァのほうは素人なので(笑)。

T まあとにかく、3分しか戦えない設定が無くなっちゃうのは気になったね。

O それとこの流れでゼットンのことも話しちゃうと…

T もうゼットン行っちゃうの?流れ的にちょっと…

O ああ、すみません、流れを忘れてました(笑)。ゼットンは一旦置いておきましょう。

T 全体の展開としては、まずウルトラマン登場以前の人間VS禍威獣のパートがあって、ウルトラマン登場のパートがあって、その後は政治的なパートに入っていく。ウルトラマンが巨大な禍威獣とドンパチやるのではなく、等身大の外星人と政治工作するのがメインになっていく。

O そもそも元祖『ウルトラマン』の敵にも大きく2種類あって、怪獣と宇宙人がいる。昔は「宇宙人」と言ったんだけど、今回は「外星人」と言われていて、そこもいやらしいなあと思いながら観てたんだけど(笑)。

T 「怪獣」が「禍威獣」になってたり、漢字が変えられてたりもしてるね。「科特隊」も「禍特対」になってる。

O たぶん想像するに、「宇宙人」と言うと地球人も「宇宙人」の一部なわけだから、外国みたいな意味合いで「外星人」という呼び方に変えたんだろうね。普通の人ならそんなこと気にならないと思うんだけど、そこを気にして「外星人」とするあたりがマニアックだよね。

T でも既存のコンセプトを少し変えて新しい概念として出すのは映画でありがちじゃないかな。パッと思いついたところだと、『スターウォーズ』に出てくるC-3POとかR2-D2とかは、普通の感覚で言うと「ロボット」と呼ばれると思うんだけど、それを「ドロイド」と呼んでるんだよね。それによって「ロボット」とはまた違う、近未来的な新しい概念を持たせている。ここでの「外星人」も、これまでの「宇宙人」とは違うという含みを持たせているんじゃないかな。

O 僕は映画の手法的なところにはあまり詳しくないけど、たしかにそういう意図もあるかもしれないね。外星人との政治的な交渉が出てくるあたりも元祖『ウルトラマン』には無かった要素だと思うし、外交の意味を込めての「外星人」なのかもしれない。

T そもそも昔は怪獣と戦うことがメインだから、交渉するとかいう発想自体が無かったんじゃないかな。

O でも今回山本耕史がやっていたメフィラスとかは、元祖『ウルトラマン』のほうでも日本語を話す知的な宇宙人として登場していたけどね。あそこまで具体的に国と交渉したりはしてなかったと思うけど。

T 個人的にはあそこのパートが一番面白かったな。庵野秀明はリアリティに凝りたい人だと思うから、特撮に関してもファンタジーだけでなく、リアリティを持ち込みたいという思いは伝わるんだけど、ただ、今回は『シン・ゴジラ』で霞ヶ関・永田町が細部まで描かれていたのに比べると、少し甘さがあったかなという気もする。日本全体で戦ってるというよりも、禍特対のメンバーだけが右往左往してるようにも見えちゃったし。

O それで思い出したけど、たしかオープニングのほうで「禍威獣はなぜか日本にしか出現しない」ということも言ってたね。たぶん元祖の頃から誰しもが疑問に思うものの、それは言っちゃいけないタブーなのかと思ってたけど、あっさり言っちゃうんだと思った(笑)。

T そしてなぜか長澤まさみが急に巨大化しちゃったりもする。

O ああ、あれね。女性隊員が巨大化するくだりは元祖のメフィラスの話にも出てくるので、あの場面を入れるのはとくに違和感ないんだけど、元祖のほうはたしかそんなに時間を割かずにチラッと出てくる程度だったと思うから、そこにここまでフォーカスするのは庵野先生のこだわりなんだと思って観てたよ。

T やっぱり最初の人間VS禍威獣のパートをもっと手厚くやってほしかったな。できれば二部作にしてほしかったぐらい。

O そうなってくると間に入るべきなのは『シン・ウルトラQ』なんだよね。『シン・ウルトラQ』があってからの『シン・ウルトラマン』だったら完璧な流れだったかもしれない。

T それでいいかもしれないね。全体的にせわしない感じがしたから、一作でここまで全部やらなくてもよかったんじゃないかとは思うね。もっとじっくり観てみたかった。

 

To Be Continued...