O 2014年、T氏との対談もいよいよ幕を開けましたね。

 

T 今回のテーマは「STAP細胞は実在するのか?」です(笑)。小保方さんは美人ですから、あってほしいと願う世の男性は多いと思うのですが…

 

O ちょっと!そういう話題はここに持ち込まないでもらいたいな(笑)。改めまして、今回のテーマはTさんに薦めていただいた奥田英朗のスポーツに関するエッセイ『延長戦に入りました』です。

 

T まず経緯を話させてもらうと、文藝春秋が発行している『Number』という雑誌があって、それを好きでよく読んでるんだけど、その中で奥田英朗さんがコラムを書いてて、それが面白いんで本も読んでみようと思ったんだよね。そうしてこの『延長戦に入りました』に出会った。読んでみてすぐにO君好みだと思ったね。

 

O よくわかっていらっしゃる。でも僕ってけっこう人にそういうの言い当てられるんだよね。気に入ると思いますよって薦められたものはだいたい気に入っちゃう(笑)。

 

T 趣向性がはっきりしてるんだろうね。

 

O 本当にそういう経験は多いんだけど、だからこそ今回も楽しい思いができた。T君にもいろいろ面白いものを紹介してもらって助かってますよ。

 

T この本の中ではどのエピソードがとくに面白かった?

 

O エピソード以前にエッセイという形式が面白かったね。今までエッセイってあえて読もうとは思わなかったんだけど、まず沢木耕太郎さんのエッセイを読んでからエッセイもうまい人が書くと面白いってことに気がついた。そういった意味でこの本もエッセイとして面白いと思ったし、入りやすかった。

 

T エッセイは読みやすいからね。

 

O それに豆知識的な情報が散りばめられてるから、生きてる上ではとくに役に立つこともないんだけど、そういう情報を知ることができるのが楽しかったりもする。

 

T たしかに小説だとフィクションが入っきたりするからね。

 

O その点、エッセイに出てくる情報は実際の情報だからね。

 

T まあ、でも言われてみればエッセイを読む機会もなかなかないか。

 

O それを置いた上でどのエピソードが面白かったかと言うと、やっぱり読んでた時期が冬季五輪やってた時期ということもあって、ボブスレーの話とかは印象に残ってるかな。

 

T 4人乗りボブスレーの前から2番目の人は何をしているんだろう?ってやつね(笑)。

 

O 入賞してパーティーとかに呼ばれたりしても、スピードスケートで入賞っていうとすごさがすぐ伝わるけど、ボブスレーで入賞して前から2番目に乗っていたって言われても、リアクションに困るって話とか(笑)。そんなこと今まで考えてもみなかったよね。

 

T 奥田さんの良いところは、目線がそんな風に素人目線なんだよね。本当はスポーツに対しての造詣は深いはずなんだけど、あえて素人目線で見て、なおかつ細かいところを見てる。だから言われてみるとあるあるって感じがして、そこが面白い。

 

O 僕も影響受けて、冬季五輪でボブスレーすごい見ちゃったもん(笑)。2人乗りも4人乗りも両方チェックしたけど、結果的に真ん中の人が何をしてるのかはよくわからなかった(笑)。

 

T スタートのときに全員で押すぐらいかな。

 

O あとはカーブのときのバランスをとったりしてるのかもしれないけど、素人目にはよくわからないね。そもそも2人乗りと4人乗りがあることの意味もよくわからない。

 

T たしかに言われてみるとそうだな。

 

O 2人乗りはまだわかるけど、4人乗りは要るのかって思っちゃう(笑)。

 

T 究極的には1人乗りだけあればいいような気もしちゃうよね。

 

O リュージュとかスケルトンは1人乗りだしね。でもそうなると、リュージュの2人乗りも気になってくるな。

 

T あ、2人乗りもあるんだ。

 

O これも奥田さんのような素人目線で話すから誤解があるとまずいけど、ボブスレーの2人乗りは席が2つあるのに対し、リュージュは1人の上にもう1人が乗っかるようなかたちになってるのね。上の人は乗ってるだけ?って思っちゃう(笑)。

 

T (笑)。

 

O それと、リュージュの2人乗りを見てて気づいたのが、兄弟で出てる人たちが多いように感じたんだよね。

 

T それは息を合わせるためとかの意味があるのかな。

 

O 僕はかなり密着して乗るから赤の他人だと嫌なのかなと思っちゃったんだけど(笑)。

 

T もう発想が完全に奥田さん的になってるね(笑)。

 

O この本を読んだおかげでオリンピックを普通の人の倍ぐらい楽しめたんじゃないかと思うよ。

 

T 「オリンピックを2倍楽しむ本」なんてのもありそうだけど、この本がその役目を果たしたわけだね。

 

To Be Continued...

O また話は変わるけど、散歩したりはするの?東京の生活というと、散歩というのもなぜか自分の中のイメージとしてあるんだけど。さっきのラーメンもそうだけど、散歩してるうちに新しい店を見つけて入るとか、そういうのってよくありそうだよね。

 

T それはあると思うよ。実際、その店に行こうとしたわけじゃなくてたまたま見つけた店に行くってこともあるし。

 

O 僕はあてどもなく街を歩いてみるということもしない人間だから、そのあたりの感覚もよくわからないんだよね。

 

T 僕はぶらぶら歩くの好きだよ。今まで見たことがない風景が見れたりするのが好きなんだよね。

 

O お、なんだか今日はやけにきれいな表現が出るなぁ(笑)。

 

T だから行きと帰りで違う道を通ってみたりもするよ。同じ道で帰っても面白くないから。まあ、これは東京に限ったことじゃないけど。

 

O そうかぁ。僕はいかに最短距離で行くかとかそんなことしか考えてないから、なかなかそういう発想にはならないな。

 

T あと、東京っていうと人がたくさんいて混雑してるイメージがあるけど、『耳をすませば』の舞台になった聖蹟桜ヶ丘のあたりに行けば丘陵地帯が広がっていたりして、意外と自然もたくさんあるんだよね。都会の人混みとのギャップがあってそういうのも面白い。

 

O 人混みの話が出たけど…

 

T え?人がゴミ?それはムスカ大佐じゃないか(笑)。

 

O たしかに人がゴミとくればムスカ大佐だけど、人混みの「ごみ」は燃えるゴミの「ゴミ」じゃなくて混雑の意味の「混み」だからね(笑)。

 

T あー、ごめんごめん。

 

O 人混みにしたって、静岡の人混みはせいぜいたかが知れてるけど、東京の人混みは本当にすごいからね。昨日も山手線の来るタイミングがちょっと遅れただけで車内がものすごいぎゅうぎゅう詰めになってて、たまらなかったよ。まるで弁当に米をこれでもかというぐらいに詰めた感じというか…あ、うまく例えられないや(笑)。

 

T そうだよね。競馬場にしたって一つの地方都市の人口ほどの人間が一気に集まることがあるわけだし、それってすごいことだよね。

 

O 待ち合わせも苦労するよね。昨日も池袋駅で「いけふくろう」が見つからなくて大変だったけど。

 

T 駅の出口にしたって、地方では東口といえば出口は一つだけど、東京だと同じ東口でもいくつもあったりするからね。

 

O 東京の駅で待ち合わせするときはいつもドキドキするよ。絶対自分は違う出口から出ちゃうって思ってるから(笑)。だから慎重に案内を見ながら進むようにしてるな。それとホームから改札に出るときも、特定の階段を上らないと目的とする改札に出られない作りになってる場合があったりして、あそこまでくるともはやスーパーマリオのステージかって思うこともあるんだが(笑)。

 

T たしかに複雑だよね。日本人の我々ですら迷うんだから、外国人からしてみたら本当にわからないんじゃないかな。

 

O それこそ静岡なら見つけた階段を下りればなんとかなるけど、東京ではアウトな階段を下りちゃったばっかりに目的地に辿り着けなくてすごく苦労した経験が何回もあるからね。

 

T 今だと渋谷駅が工事やってて余計わかりにくくなってるな。そう言えば、渋谷駅で不思議なのが、銀座線に乗ろうとしたら銀座線のホームはなぜか地上にあるんだよね。

 

O ああ、渋谷は谷の地形だから地下鉄のホームが地上になっちゃうんだっけ?

 

T それで、別の日に田園調布線に乗ろうとしたら、田園調布線のホームは地下にあるんだよ。地下鉄の駅が地上にあって私鉄の駅が地下にあるという逆転現象が起きてる。

 

O その話は面白いね。滅多に他のところにはないパターンだ。

 

T 常識を覆す駅だね。

 

O でも渋谷も人が多いよね。先週は大学の先輩と渋谷のハチ公の前で待ち合わせたんだけど、ハチ公もいけふくろうと同じで小さいじゃん。ハチ公を目指して行くというよりも、周りに人だかりがしてるからあそこにハチ公があるのかなという感じで近づいて行ったよ。なんだか本末転倒な感じがした。

 

T まあ、そういうのも含めての東京の楽しさということですかね。

 

The End.

O そうだね、話を戻さないとね。ところで、東京の食文化はどうですか?

 

T さっき話したじゃないか(笑)。やっぱりラーメンでしょ。

 

O 得意分野になりそうなので、話題を変えて(笑)…

 

T なんでそんなに語らせたがらないんだよ(笑)。自分だってラーメン好きでしょ?

 

O 今度は水道の話をしましょう。東京は水道の水が臭いなんてこともよく言われていて、静岡の水を飲んでいた僕としても薬臭いかなとか思うことはあったんだけど、だんだん改善されてるんだよね?

 

T そうは言われてるけど、やっぱり口に含んだときは違うと思うよ。静岡の水と東京の水では。カルキ臭さが残ってるというか。だからまだ東京の水道水はあまり飲む気にならないね。

 

O でも「東京水」っていう感じでアピールしてたりはするよね?

 

T まあ、問題はないと思うけど、飲みたいかって言われるとまたちょっと話は違ってくるね。

 

O 水って生活においてはけっこう大事だよね。「水が合わない」なんて言葉もあるように、それだけ水の重要度は高いのかなと思ったり。で、弄んでしまって申し訳なかったので、ラーメンの話題に移りましょう。聞くところによるとラーメンを食べ歩かれたりしてるとか?

 

T 昨日も一緒に食べたじゃないか(笑)。

 

O そうですね、昨日はつけ麺をいただきましたね。

 

T ラーメン、つけ麺、僕(笑)?

 

O …さあ、それは置いておきまして(笑)、食べ歩きについての話を聞いてみたいですね。

 

T こっち来てから最初のころは週4ぐらいのペースで食べに行ってたね。最近は週3か週2ぐらいに落ちてきたけど。

 

O それでも多いよ。僕は週に1回も…あ、週に1回は食べてるか。でもそのぐらいだよ。

 

T 店がたくさんあるからね。平日も帰り道に途中下車して食べてきたり、早く帰れる日はあえて逆方向に食べに行ったりすることがあるよ。とくに評価の高い店を中心に食べ歩いてる。

 

O 評価に騙されたりすることはないの?

 

T 評価通りだなって思うこともあれば、大したことないなって思うこともあるよ。当然、当たり外れはあるから、それも含めて楽しかったりするね。

 

O ラーメン専門店は静岡とかに比べたら東京は圧倒的に多いだろうからね。

 

T 全然違うね。それに、ラーメンは一人でふらっと入れてそんなに高いわけでもないから行きやすいね。

 

O たしかに一人で入りやすい店と一人だと入るのをためらう店があるけど、ラーメンは一人でも気軽に入れるね。これが焼肉とかになるとちょっと一人では入りにくい。

 

T 昨日いたけどね。

 

O そう言えばいたね!僕らの隣で一人で焼肉食べてた女の子。

 

T あれはちょっとびっくりしたなぁ。

 

O それも東京ならではのことかもしれないね。

 

T あと店によっては細麺だったり太麺だったり、柔らかめだったり固めだったり、レパートリーがいろいろあって店独自の「個性」が生きてる感じがいいね。

 

O 今の「個性」の部分に個性を感じたな(笑)。

 

T 編集のときは個性にカギカッコ付けといてね(笑)。そういう個性と出会うのが面白いな。ちょっと立ち寄ってみた店で新しい発見があったり。

 

O でもラーメン好きな人って多いよね。

 

T 多いよ。僕も職場の人と情報交換したりしてる。

 

O 僕はどうも食へのこだわりが薄いほうで、ラーメンも食べておいしいとは思うけど、極めてみようとかそういうレベルまでには全然至らないな。

 

T もったいない。食の楽しみは人生の楽しみの一つだよ。僕はそういった意味では食べ物にお金使うことにまったく抵抗のない人間だし、こだわりの強いほうかもしれないな。

 

To Be Continued...