O では次のテーマは、T君はまだ見てる途中とのことですが、『水曜どうでしょう』です。バラエティー番組というジャンルから取り上げるのは初めてですね。

 

T そうだね。テレビ番組を取り上げたことはまだなかったね。

 

O 『踊る大捜査線』もテレビ番組と言えばテレビ番組だけど、ドラマだからちょっと毛色が違ったね。

 

T まさに「キングオブB級番組」といった感じの番組だね。

 

O お、それはさっそく「キングオブ深夜バス」の博多号さんに絡めての発言なのかな(笑)?

 

T 日本最長の深夜バスね。その話題から入ってっちゃう?

 

O いきなりコアなところから入ってしまうのもどうかと思うので、恒例の流れとして出会ったきっかけから話していきますか。T君が見始めたきっかけは何ですか?

 

T そもそもは疑問から入ったんだけど、車を運転していたときに車の後ろに「水曜どうでしょう」のステッカーを貼っている人をけっこう見かけて、「水曜どうでしょう」って何だっけ?と思ったんだよね。

 

O たしかに、僕も前々から気になっていたよ。

 

T それで、それが北海道の伝説的なローカル番組だということがわかって、実際に見てみたら面白かったってところかな。

 

O ステッカーに関しては、僕も会社の先輩にいろいろ入ったのをもらったことがあって、その中の一つを携帯に貼ってるよ。「常に初陣」ていうやつ(笑)。

 

T 実は僕も静岡戻ったら車に「水曜どうでしょう」ステッカーを貼りたいと思ってるよ。

 

O ただ、携帯のステッカーはせっかく先輩にいただいたので、感謝の意を示すためにもやっぱり貼っておかないとと思って貼ってるけど、人に携帯を貸す状況があって、このステッカーが他人の目に触れることになると、すごく恥ずかしいんだよね(笑)。

 

T とくにネタ知らない人には変に思われるかもしれないね。

 

O また僕が貼ってるのは「常に初陣」ていう普通の言葉だから、こいつはいつもこういうことを考えながら生きてるのかと思われるかもしれない(笑)。「臥薪嘗胆」みたいに(笑)。

 

T ところで、O君が見始めたきっかけは何なの?

 

O 僕は会社の後輩に薦められたのがきっかけだね。さっきも言ったけど、僕は人に好みの方向性を当てられやすい人間で、そのときも後輩に「Oさん、『水曜どうでしょう』って知ってます?絶対Oさん好きだと思うんで見てください」と言われて見たら、はまっちゃった(笑)。

 

T あれ?静岡でも放送してたっけ?

 

O 深夜に再放送してるよ。ちなみに、そのときに見た企画が四国八十八箇所を回るやつで、それがすごく気に入った。

 

T なるほど、だから実際に八十八箇所を回ってみたというわけか。

 

O 回ったと言ってもほんの少しだけどね。ちょうど父親の実家が高知なので、そこへ行く機会があったときにいくつかの寺を回ってみた。ちなみに『水曜どうでしょう』がすごく好きな会社の後輩は、大学のころ10日ぐらいかけて四国八十八箇所全部を車で回ったらしい。それだけ人を熱くする番組なんだな。

 

T 僕の職場の友達にも、『水曜どうでしょう』の影響を受けて、2年間で47都道府県すべてを回るという目標を立てて旅してるやつがいるよ。土日のたびに出かけてるらしい。

 

O 『水曜どうでしょう』の企画は、国内のものと海外のものがあるけど、その人は国内の企画に着想を得たということかな。

 

T 僕はこの番組の一番の魅力はディレクターの藤村にあると思うな。大泉との絶妙な掛け合いが面白い。そもそもテレビ界の常識からしたら、あんなにディレクターが前面に出てくるのはおかしいと思うのだが(笑)。

 

O 何かの企画のときに現地のガイドさんに「あれ?しゃべっちゃっていいんですか?」って言われてたりもしたよ(笑)。それに大泉が「普通はおかしいでしょ?ディレクターがしゃべるなんて」とか返してたけど。

 

T 初期のころはあまりしゃべってなかったんだよね。最初のサイコロのころとか。

 

O だんだんでしゃばり始めたってことだね。

 

T それと対照的に、鈴井さんはだんだんしゃべらなくなっていく。

 

O たしかに最近の企画ではあまししゃべってないね。

 

T 影も薄くなった気がするな。もともとは鈴井さんが大泉洋を引っ張ってきて世に出したんだけど、その大泉洋は今や全国的な人気者になってるし、立場が逆転してる部分もあるかもしれないね。

 

To Be Continued...

T 他に気になったのは名前の話かな。

 

O あ、それ言っちゃいます?編集するときに苦労しそうだな(笑)。

 

T マンコビッチという選手が日本に来たって話ね。それはさすがにまずいから名前をマニーに変えさせたという(笑)。

 

O 来日するときに慌ててる球団関係者を想像して書いてるのが面白いよね。「どうしましょう?」「なんとかならんのか?」って(笑)。マニーっていうのは本人は呼ばれたことがあるのかね?

 

T わからんね。もしかしたら子供のころのあだ名とかで呼ばれたことがあるかもしれないけど。

 

O 昔スタルヒンがいたころも戦時中は須田博って日本人の名前に変えて登録したというのは聞いたことあるけどね。

 

T そうなんだ。それは知らなかった。

 

O でも大人の事情で名前変えさせられた人はそんなにいないだろうね(笑)。

 

T そのままだと絶対いじられるからな。オマーンの例も衝撃的だったね。

 

O オマーンはどういうことなんだっけ?

 

T 表記が「OMAN」だから正式には「オマン」になる。だけどそれはまずいから「オマーン」にしたんじゃないかと。文部省の秘密工作じゃないかって話になってた(笑)。

 

O たしかにこの章は面白かったね。読んでて思わず噴いたよ。

 

T そう、この本の難点は電車の中とかで読めないんだよね。噴き出しちゃうから(笑)。実際恥ずかしい思いをしたこともあるし。

 

O 「あの人何読んでるの?気持ち悪い」ってなっちゃうね(笑)。

 

T だから公衆の面前で読むときは笑わないように注意を払いながら読まないとならない。それがこの本の唯一の欠点だね。

 

O 読むときはご家庭で、思う存分笑える環境の中でというのが取り扱い上の注意点ですかね。あと、似たような下世話な話ではレスリングのユニフォームの話もあったね。レスリングのタンクトップは乳首をちょうど隠すためにあの細さになってるんじゃないかと(笑)。男なんだから上半身裸でも問題ないのに。

 

T 言われてみると、水泳選手みたいにもっと潔くしてもいいと思うんだけどね。

 

O プロレスとかは上半身裸でやってるわけだし。

 

T 中途半端に隠すから逆に気になっちゃう。チラリズム的な感じで(笑)。

 

O まさに逆転の発想といった感じだね。

 

T 逆転の発想と言えば、怪我に対する日本と欧米の価値観の違いの話も面白かったな。日本人は怪我してることを自慢したがるって話。

 

O 僕はあまり故障とかしたことないから、その感覚はよくわからないかもしれないな。

 

T でも周りにもいたでしょ?スポーツテストの時とかに「俺、足痛めちゃってさ」とか言ってるやつ。

 

O それは言い訳じゃないの(笑)?

 

T それもあるだろうけど、それで良い記録を出したら余計かっこいいとか、そういう文化があるでしょ。もうこれは根付いた文化だと思ってるけど。

 

O でも突き詰めて考えると、怪我したのは体調管理ができてなかったりするからであって、本当は恥ずべきことなんだよね。

 

T 欧米的な観点からするとそうなんだけど、日本人の美意識は怪我しても勝ったとか、そういう方向に向いてるんだね。要は日本人はお涙ちょうだいものが好きなんだよ。

 

O 判官びいきってのもあるけど、逆境にあるほうが美化されるというのはあるかもしれないね。

 

T そんな精神主義が現代にも生きてるんだね。あと、気になってたんだけど、なんでタイトルが『延長戦に入りました』なんだろう?

 

O よくあるのは中にそういうタイトルの一編が入ってるから、代表して本のタイトルにもするってパターンだけど、そういうわけではないよね。

 

T かと言って何かの続編というわけでもないし。

 

O たぶんスポーツ観戦という視点で考えたときに、このタイトルが最も雰囲気を端的に表現していたんだろうね。インパクトもあるし。

 

T たしかにウィットに富んでて奥が深いタイトルではあるな。

 

O 奥田さんだけにね(笑)。

 

The End.

O あとは視聴者視点というのも面白いと思ったんだけど、それに関して箱根駅伝のエピソードが載っていた。箱根駅伝はなぜ視聴率が良いのかという考察が。

 

T 考察が深くてなおかつ面白いんだよね。

 

O 年末年始の休みにどこにも出かけないで家にいる家族は、年末からバラエティー番組とかを見ているので正月すぎにはもうテレビに飽きてきていると。かといってテレビが点いてないと間が持たないから、そんなときに箱根駅伝を点けるとちょうどいいと。

 

T みんなで応援したりできるからね。味付けを変えるみたいなことか。

 

O 子供が「この人は速いの?」とか聞いたりして家族の中に会話が生まれると。だから往復見る人もあまりいなくて、往路見たから復路はもういいやってなるパターンが多いんじゃないかみたいなことも書いてあった気がする。

 

T 2日連続見る必要はなくて、あとは結果だけわかればいいってんだね。

 

O 僕は箱根駅伝は好きでわりと見るほうだけど、今までそんなことを考えたことはなかったな。

 

T あと、僕らは静岡の人間だから、草薙球場のベーブ・ルースと沢村栄治の伝説の一戦の裏話も興味深かったな。球場前には銅像も建てられているあの試合。沢村栄治があの試合は1点に抑えているけど、他の試合ではボカスカ打たれているっていう(笑)。

 

O ああ、そんな話もあったね。

 

T 沢村栄治は沢村賞という賞も作られるぐらいの伝説のピッチャーだけど、その伝説のピッチャーに隠された意外な真実。

 

O 前に何かの番組で見たけど、昔は球速を測る技術がなかったので沢村の正確な球速がわからなかったところを、当時の記録とかをもとに沢村の球速を再現してみたら160キロぐらい出てたって話もあるみたいだね。

 

T え?本当かよ(笑)!でもそれだけ神格化されたピッチャーなんだよね。神格化されてるからこそ、メジャーとの試合も1点に抑えたところばかりがクローズアップされてるけど、実はそれ以外の試合はボカスカ打たれていて、伝説の試合もメジャー側が早く試合を終わらせたいからあえて打たなかったんじゃないかという考察がされているね。試合は早く終わらせたいけど、負けるわけにいかないから1点だけは取ったと。日本人にとっては何ともショッキングな話だ。

 

O 沢村の伝説を根底から覆すような話だけど、データがそれを物語っているということなんだよね。

 

T 実はだいぶ美化して伝えられてるのかもしれないね。

 

O でもそういうのって沢村に限らず歴史上にはたくさん例がありそうだけどね。本当は違っても、何らかの理由でヒーローにせざるを得なかったケースとか。

 

T それにしても草薙球場をずっと聖地だと思ってきた自分にとってはショックな話だったな。

 

O T君はより草薙球場が地元でもあるだけショックは大きいだろうね。

 

T 高校野球のスコアボードからゲームを想像する話も面白かったな。スコアボードでどんな点数の入り方したかを見るだけで、試合を見なくとも高校野球のドラマが見えてくるって話が。

 

O 今テレビで『ルーズヴェルト・ゲーム』をやってるけど、その中にも似たような話が出てきたな。野球のスコアは8対7が一番面白いって。

 

T 単なる数字の羅列にすぎないんだけど、それを分析していくといろんなことが見えてくるね。コールド勝ちで勝てるペースで進んでいたところが、その後一気に逆転されてたりとか(笑)。

 

O スコアボードもよく見てみると面白さが隠れてるってことだね。

 

To Be Continued...