マリオット南紀白浜。
朝食は、旅の楽しみのひとつ。
特にこのホテルの焼きたてクロワッサンは、僕の中で殿堂入りしている。
けれど、僕は朝が苦手で、いつもギリギリまで布団にしがみついている。
妻の詰子はというと、朝食会場に一番乗りしたいタイプで、僕の寝起きの悪さに呆れながらも、毎回律儀に待ってくれる。
そんな僕が、今日は珍しく先に目を覚ました。
隣を見ると、詰子はまだ寝ている。
「詰子ちゃん、8:30を過ぎたよ」
「うん」
詰子がまだ眠たそうに、ゆっくりと体を起こす。
「目覚まし鳴った?」
「鳴ったよ。8:00と8:30に」
「ふっ……」
鼻で笑うその仕草に、"たまに早く起きたくらいで調子に乗るなよ" という言葉が透けて見える。
その笑い方が、ちょっと意地悪そうなのだが、詰子らしくて僕は好きだ。
朝食会場では、期待通りのクロワッサンが僕らを待っていた。
外はサクサク、中はフワフワでしっとりの食感がたまらない。
詰子も僕も、朝から幸せを噛みしめた。
部屋に戻ると、部屋のノブに清掃中の札がかかっている。
「詰子ちゃん、もう清掃が来てるよ」
「マジで?」
「どうする? 荷物も散らかってるし、スーツケースも開けっ放しだぞ」
そこへ、清掃員が近づいてきた。
「タオル交換だけなので、すぐに終わります」
清掃員は素早く作業を終えて帰っていった。
「前にもこんなことがあったな」
「朝ごはんから戻ってきたら掃除が終わってたこと」
「あったね。あれはあれで助かるんだけどね」
あとがき
見られたくないものを見られた気分で恥ずかしい思いでした。
朝食時に清掃が入るなら、そう言ってほしかったな。
まぁ、朝食が美味しかったのでOKということで。
詰子が寝坊とは珍しいことです。
いつもは僕が怒られるパターンなのに、今回は逆でした。
聞けば、あまり眠れなかったらしいです。
この日は調子に乗って食べすぎました。
昼はラウンジで、手毬寿司と熊野牛のポロネーゼ。
もちろん、どちらも美味い。
そして夜もパンパンになるまで食べて飲んで、結局、最後に胃薬です。
はぁ〜、また、やっちゃったな
でも、それもまた詰子と一緒に来た旅の思い出になります。

朝食の詰子のデザート

カクテルタイムにビールを飲みながら
写真を見直すと、クロワッサンの写真がひとつもない……。





