恒虎公のお出ましを、自分だと勘違いしてやって来た寅公とそれをなだめる心優しき主君恒虎公。
恒虎公の本分は家臣に対する戦の下知にあったのだ。
時は令和六年六月十日甲卯、女城主恒虎公下知。
老体野飯古希、古式ノ由荷黒、伊勢屋(※)ヨリ新タニ調達ノ軽量兜並ニ籠手、護謨長公ヨリ拝領セシ歴戦ノ長草鞋ニテ身ヲ固メ、歯車式種子島手持チ参陣之図。
(現代語訳:長年愛用のユニクロ、カインズで買った麦わらヘルメットと手袋、ゴム長様より頂いた長靴を履き、歯車が回転する武器を持ち、恒虎様の下に駆け付けた古参の家臣のめしこき参陣の絵)
出立ニ際シ、恒虎公謡ハレシ激励歌。
(現代語訳:のめしこき出陣の折、主君恒虎公が謡い激励された曲)
恒虎公謡いは主家の最高機密ゆえ、お見せできません。
皆様におかれましては、宜しかったら恒虎公になったつもりで森山良子姫の五味線に合わせてお歌いださい。
激励歌「このひどい野原いっぱい」
この広い野原いっぱい 咲く花を
ひとつ残らず あなたにあげる
汗ふきタオルは ハイこれにして
このひどい野原いっぱい 出た草を
ひとつ残らず あなたにあげる
ひなた草刈り お休み入れて
この長い道(※)いっぱい 出た草も
ひとつ残らず あなたにあげる
二時にかならず お休み入れて
この広い畑いっぱい 出た草も
ひとつ残らず あなたが抜くの
見栄え大切 草葉を掻いて
草葉を掻いて
※ 恒虎・・・「常」を使いたくあれど、義父の偏諱なり。いずれにしろ虎は虎。
※ 伊勢屋・・・巷では南蛮言葉でCAINZとな。
※ 長い道路・・・共有私道なり。