長崎原爆資料館はとても心揺り動かされるのだけれど・・・:九州定年旅行 | のめしこき日記

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 キリシタン墓・原城跡を見学した翌日は、平和公園・長崎原爆資料館。

 平和公園の有名な像の前で記念撮影ですが、ニッコリは違うかなと思って神妙な表情で。

 原爆犠牲者の碑。合掌。

 

 この平和公園には4か国から寄贈された平和を希求する像。

 ドイツ民主共和国(旧東ドイツ)

 

 チェコスロバキア社会主義共和国

 

 ブルガリア人民共和国

 

 ソビエト社会主義共和国連邦(現在のロシアが中心をなしていた連邦)

 

 平和公園・原爆資料館間は少し歩きます。途中に防空壕跡がありますが、この中に避難した人の中には生存者がいました。しかし、放射能汚染された中に出ざるを得ず、原爆症病になりました。

 

 朝鮮半島から働きに来られて(強制連行ではありません)原爆で命を失ってしまった方々に合掌。

 

 原爆資料館の展示内容は非常に心に迫るものでした。

 特に展示の最後にあった、幼児を背負って焼け跡に立つ少年の写真(「焼き場に立つ少年」)が特に印象に残っています。おんぶされた幼児は既に命は無く、母親を探しながら焼き場にやって来た。

NHK「戦跡」よりお借りしました)

 

 平和公園・原爆資料館を見学して追悼の気持ちは大切で、原爆資料館の展示内容は心に迫るものでした。ですからそこは見学した甲斐がありました。

 ただ特定の政治的立場に偏り過ぎて、こんな事で良いのかという気持ちを持ちます。

1,平和の塔4基

 社会主義圏の国ばかりからの平和を希求する像を展示してあります。東ドイツはベルリンの壁崩壊後ドイツ連邦共和国(西ドイツ)に吸収消滅し、チェコスロバキアはチェコとスロバキアに分かれ現在は共にロシアの脅威から国を守るためNATO構成国に、ブルガリアもNATO構成国としてロシアと距離を置く国になっています。

 つまり東側の国々は失敗し、西側の国に変わっているのに、ソビエトとその子分時代の国が長崎に平和像を贈ったものをまだ展示しているということで、政治色が強くしかも偏り過ぎています。なぜこのようなものを現在も展示してあるのか理解に苦しみます。

 ソ連は日ソ不可侵条約を破って終戦間際に宣戦布告し、北方領土を分捕って60万人に及ぶ日本兵を強制連行強制労働させた国です。現在のロシア連邦はウクライナに侵略戦争をしかけています。

 これらの国から寄贈された塔ばかり建てた(そして現在も撤去していない)のは偏り過ぎています。

 

2,朝鮮半島出身犠牲者の追悼碑の解説文

 この説面文はどこに事実が書かれているのでしょうか? こんなデタラメをハングル(←ちなみに福沢諭吉が普及に尽力しました)で伝え、英語で伝えたら、大変な誤解が起こります。こんなものを長崎市は放っておいてよいものか。

●「植民地支配下に置いた」・・・事実:大韓帝国併合に関して全借財を肩代わりしました。学校教育をいきわたらせ、京城(ソウル)帝国大学は東京大、京都大、東北大、九州大、北海道大、ソウル帝国大学の順に、大阪大、名古屋大よりも早く設立されています。鉄道も敷きました。植民地搾取するつもりなら、こんなコストがかかる事はしないでしょう。

●「自由も人権もそして貴重な土地も奪われ」・・・事実:自由を奪われた人が日本本土に出稼ぎに来られる、人権の無い人が学校教育を受けられ成績によっては帝国大学で勉強できる・・・植民地支配ではあり得ない事でしょう。加えて、陸軍士官学校を卒業し士官になったり、日本軍に志願兵が殺到したりもしました。

●「生活の手段を失った朝鮮人たちは日本に流入した」・・・事実:これは強制連行ではないですね。賃金が高い所で働きたいという事でしょう。

●「日本に強制連行され強制労働させられた・・・実に2365263人、長崎県に在住していた朝鮮人は約7万人 」「そして長崎市周辺には約3万数千人が在住し・・・強制労働させられ」・・・事実:文章自体が意味不明です。在住と収容所入所は全く違いますね。

●「日本政府が武力で威かくし、植民地化し、その民族を強制連行し、虐待酷使し」・・・苦言:そうした事実があるなら具体的に示さないとダメです。デタラメが過ぎます。これじゃ朝日新聞と同程度になってしまいます。

 

3、原爆資料館内の年表

●「南京大虐殺」という語が使われている点・・・事実:中国の言い分では南京陥落後の6週間で30万人が虐殺されたとのことですが、30万人もの死体が市街にあればそれをどう処理したのか? 死臭が蔓延し住めないでしょうに、事実は日本軍が入城した後南京の人口は増えています(南京の人口は日本軍占領前が20万人、占領1カ月後が25万人)。これは日本軍が来たから安心して住民が集まってきたからではないのか? 便衣兵の共産党軍・国民党軍との戦闘では中国・日本のいずれかor両方の銃弾が当たって市民に犠牲者が出た可能性は高いと思います。少なくとも「大虐殺」ではなくもっと中立的な「南京事件」とすべきでしょう。

 

 以上のような、とても偏った内容が平和公園・原爆資料館で見られます。

 追悼する心を失ってはなりませんが、特定の勢力に政治利用され、社会主義国と近しい関係だったと誤解される、朝鮮人の強制連行・強制労働があった、南京大虐殺があったと日本が認めていると韓国や中国からの旅行者が理解したら健全な友好関係など出来ようはずがありません。