まず取り組み表をご覧ください。角突き牛も屋号のしこ名が多い(久蔵・丑蔵・忠左エ門・新五左エ門・田中・和泉屋など)のですが、中央の取り組み審議委員も良いでしょ。平野屋・大下・忠吉・三郎兵エ・大家・新五左エ門。
6年前は司会の欄に「中山うらんた」と書かれていて、変わった氏名の人が居ると思っていました。親しくなった牛舎の人に聞いたら「中山地区のうらんたという屋号の人」という意味でした。
この地区では丑蔵さんのように屋号で呼んだり、泉坊さん・吉坊さんのような呼び方が生きています。私の亡兄は小さい頃ヒロ坊と呼ばれていましたが、我が吾妻地方では今は屋号やそうした呼び方は無くなりました。この地区では屋号でばかり呼んでいるので人によっては本名を度忘れすることもあるそうです。
さて、角突きです。
鳥幸・・・小千谷出身の方が川崎で「とり幸」という焼き鳥・居酒屋店舗を展開されている星野さんの持ち牛です。鳥幸は岩手県産黒毛南部牛ですが勝ち負けをつける沖縄で成長したため角が成形されています。
泰斗・・・東京で弁護士をされている山岸さんの持ち牛です。山岸さんの父親が小千谷出身だそうです。泰斗も赤毛南部牛で小千谷で育てられているので角は自然のままです。小千谷・山古志の角突きは勝ち負けをつけず、勢子が分けます。
攻めの鳥幸、攻防の泰斗の一戦。横綱牛同士の重厚な一番。そして良さが発揮された所で素早く両牛を分けます。
動画では迫力や空気感が伝わりませんが、闘牛場では鈍い激突音や角と角がぶつかる乾いた音も聞こえます。