廟墓ラントウ(高崎市)。
レンズの広角域が足りず右端の1基が切れていますが、9基並んでいます。
一番手前が上の写真で切れた廟墓ラントウです。
もちろんこの場所以外にもたくさんありましたが、この9基で廟墓ラントウの特徴を挙げておきます。
左側から順に①~⑨として、
廟墓ラントウ①
正面に正方形に近い模様が開けられている。屋根は入母屋、矢切に家紋。
廟墓ラントウ②
正面に方形窓に加え逆ハート形窓が開けられている。屋根は入母屋、矢切に家紋。
廟墓ラントウ③
正面に方形の窓に加え、縦筋がある。何らかの一石像を内蔵。
廟墓ラントウ④
一石五輪塔(2基彫られています)を内蔵。入母屋屋根に家紋。
廟墓ラントウ⑤
長方形の窓は3つ。屋根は入母屋。
廟墓ラントウ⑥
正面に窓がない。屋根は入母屋。
廟墓ラントウ⑦
屋根は寄棟。屋上に相輪。大きな方形窓が上部、小さな窓が下部。
次の廟墓ラントウ⑧とほぼ同じ大きさで、この9基中最大。台座底から123cm。
廟墓ラントウ⑧
石質と軒の反り以外は廟墓ラントウ⑦とほぼ同じ。
方形窓1、逆ハート型窓1。ロウソクのようにも見える。
廟墓ラントウについての備忘録
書籍・ネットより
・廟墓、ミヤボトケ、石廟、石堂、石殿などと呼ばれる。
・戦国時代に廟墓ラントウが出現。
・一石五輪塔、一石宝篋印塔、石製位牌などを内蔵。
・江戸時代に広まる。
・北関東では戦国時代は予め作っておく墓(逆修供養)として、江戸時代は死後の墓(追善供養)として。
今回わかったこと
・前面の幾何模様は長方形、正方形を中心に、逆ハート方などがある。
・一般家屋の玄関と窓の関係のように、下部に大きな方形1つ、上部に小さな方形3または6つを配するものが多い。
・一石五輪塔などが内蔵されている。無いものは時間的経過の中で、盗難その他に遭ったのだろう。
・屋根は入母屋か寄棟で、寄棟の場合は相輪が乗る。