早期退職騒動における真実は次の一言です。
教員は朝日新聞が思っているより、ずっと責任感の強い集団です。
人口が多いので飛びぬけて数が多かった埼玉県を例に考えてみます。公立小・中・高・特別支援学校の平成24年度の県費負担教職員は教員46787人、職員5771人です(学校基本調査)。早期退職教員数は104人、同職員は15人です。
・早期退職教員は46787人中の103人で0.22%です。
学級数は公立小学校13252、中学校5816、高等学校5000、特別支援学校1505の合計25573です(同学校基本調査、高等学校のみ推測)。
特別支援学校では複数担任のクラスも多いですが、単純に25573人が学級担任と考えて、
・25573人の学級担任中の早期退職者は30人で0.11%です。ただし、特別支援学校は複数担任制ですので、一人辞めてももう一人残ります。ですから21人で0.08%と考えることもできそうです。
・21214人(教員46787人から25573学級と同数を引いて算出しました。厳密ではありませんが大きく外れることはありません)の担任外教諭中の早期退職者は73人ですから0.34%です。
・職員5771人中、早期退職者は17人で、0.29%です。
まとめると、早期退職率は次のようになります。
担 任 0.11%(or 0.08%)
担任外 0.34%
職 員 0.29%
・担任の早期退職率は担任外・職員に比べ、3分の1です。
これは早期退職を選んだ教職員は子どもへの影響を考えて、行動したということを示しています。担任外だから影響は少ないだろう、職員だから直接子どもに影響しないだろう、ということです。
この視点は私の知る限りほとんどの報道で抜けていました。
では、103人の早期退職者は多い数か。埼玉県の25年3月末の退職予定者は1290人ですから、8.0%です。
同年の退職者の90%以上は突然の制度変更による70万円減の怒りを抑えつつ受け入れて、定年退職を選んだのです。
それを朝日は作り話や数値改竄・詭弁を交えて「子より金信じたくない」と揶揄したのです。
埼玉県教育局が朝日新聞を訴えれば裁判になるのですが、のめしこきは直接的な当事者ではないので、裁判に持ち込むことはできないそうです(法律に詳しい職場の同僚の話)。