山間で田んぼの少ない当地では、子どものころは毎夕食手打ちうどん、お切込み、すいとんというようなローテーションでした。配給米なんて言葉も知っている世代です。
共働きの家庭でしたから、早く帰って来た方が夕食を作るということで、父親が作ることも多かったのです。
お切込み、すいとんは母も作りましたが、手打ちうどんは父親の専売特許(古い言葉だなぁ)でした。
そして、もう一つ。ラーメンのようなもの。これも父親が作りました。
かん水を使うわけではなく、小麦粉に重曹を入れた、炭酸饅頭のような生地の麺です。父親以外にこれを作っているのを見たことがないので、若いころどこからか教えてもらったか、父親のオリジナルなのか、それも判りません。
小麦粉に5%程度重曹を混ぜて、攪拌します。うどんに入れますが、この麺には食塩を入れません。
捏ねたら、しばらく寝かせます。
油にニンニクを入れて、豚肉、玉ねぎ、庭から抜いてきた長ネギを炒めます。黒コショウをたっぷり効かせるのが好みです。オイスターソースを適当に入れて。
別の鍋のニンジンに熱が通り切る前に、これらを入れて、塩で味を調えます。
手打ち麺にすると細くできないので、製麺機でできるだけ細く仕上げます。
これを茹でて、
冷水で締めて出来上がり。
うどんより軽い食感で、のめしこきは好みです。
父親は普段は手打ちうどん、お切込みなどを作っていましたが、時間があるときや、子どもが成人してからは家族が集まった時など、ちょっと得意そうな顔をして作ってくれました。
手打ちうどんはかみさんが、この麺はのめしこきが受け継ぎました。
父親を思い出しながら、いただきま~す。