本を書いてみたいという先輩から相談がありました。実は1ヶ月前ぐらいから話をしていて、まずはヒアリングをしていたのですが、どんなものを作りたいかを聞いてみました。48歳の公務員で独身の先輩です。男性ですね。ただ彼には一言では語れないようなたくさんの失敗をしてきた人生の歩みがあり、そのことについて何か一度本でも作ってみたいと言ってきたのです。
彼のことは大体25年位前から知っているので、本当に生き証人といいますか、時代を共に過ごしてきた一人でもあります。ずっと一緒にいるわけではないのですが、何かにつけて話したりいろんなことをしてきました。
私の場合、本をこの15年間位で4000冊以上は読んできていますし、小さな出版社で働いて本を編集者として出版したこともあります。本が大好きですからね。そういった経験があることを知っているので、相談してきたわけです。
それで最初に何と言ってきたかというと、「地球がダメなら、地球が生きづらいなら宇宙に行けばいい」ということを言っていました。ちょっとこれだけ聞くとスピリチュアルっぽいのですが、全然そうではなくて、あまりにも苦しみながらも現実を生きてきた人のたどり着いた境地でもあるわけです。
特定の宗教に入っているわけではないし、本もたくさん読んでいるわけではないのですが、唯一好きなことはBad Religionというすごく有名なパンクバンドがあって、その31年間の追っかけをしている人なんです。Bad Religionというのは反体制思想が強いバンドでもあり、めちゃくちゃ頭が良い人たちなのですが、歌詞も何と言いますかすごく深い内容を書くわけです。それで追っかけをずっとやってきたこともあって、思想的なことを考えるのが好きな先輩なんです。
基本的に真面目な性格でもあるので、それが変な方向に行き着いてこの令和の時代に出禁になるという経験をしています。25年前も出禁になった店があるので、とにかく25年経ってもほぼ変わっていないんですよね。ただ実は25年前から私は目をかけてずっと見てきたんです。面白いから。ただ論理的に文章を書くことが極めて難しい人で感性だけで動くタイプなんですよ。
そんな人に文章を書けと言っても、実際に書いてもらったのですが、本当にひどい文章なんですよね。意味がわからない。面白いような気もするんですけど面白くもないし、論理も成り立っていないんです。本当にそんな感じの文章なんです。だけど生き様やリアルで喋っている時はめちゃくちゃ面白いです。人には得意不得意があるのでそれは全然いいなと25年間見てきたのですが、ようやく書きたいと言い出しました。それで手伝い始めたんですよね。
そうやってどうなったかというと、「宇宙」というキーワードが出てきたわけです。最近自分もAIを使って編集をする、プロデュースをするということを学んだところなので、私も師匠がいまして、その人から教えてもらったやり方があって、じゃあそれを試してみようかなと思ってやってみたんです。
そしたらですね、めちゃくちゃ面白い構成ができあがったんです。AIを使って本を書くときって大体4段階くらい変化球を投げながら進めます。変化球というのはプロンプトの変化球ですね。普通に彼の人生を伝えて「この文章を作りたいから構成を書いて、タイトルを作って」と書いたら、本当に面白くないタイトルを書くんですよね。そこで人が書いたような文章には絶対ならないので変化球が必要なわけです。
そこで最初にやることとして何かというと、例えば比喩を入れてみるという質問です。「この文章を何かに例えたらどうなりますか?」とか「偉人に例えたらどういう偉人がいますか?」みたいな感じでプロンプトを変えていくんですよ。そうするとそれに伴って新たに構成を作り直してくれます。
順番としては、まず王道のその彼の人生の構成を作ります。それがすごく曖昧でつまらないので、そこに変化として比喩を何かぶち込んでいきます。そして比喩をぶち込んでいくと、ちょっと面白いものになるので、そこからこのトピックが良いというものを一つ選んで、その選んだものと彼が作りたい「宇宙」というキーワードを組み合わせて何かできないかと言って出していくわけです。
そうするとさらに面白いものが出来上がってくると、そこから出てきた構成の中でどこを突き詰めたいかというキーワードがまた出てくるんですよね。これちょっと抽象的に今話していますが、これをやってみてください。意味がわかると思います。そうやると大体構成ができあがってきます。そしたら結構良い文章になってきたので、彼が文章を書いていくという流れをやり始めているところです。