家で暮らしていく(9) | 小説 介護される日々

小説 介護される日々

介護される 介護する 寄り添う気持ちとともに。

入院中、毎日母さんが来てくれる。

娘もだいたい一緒に来ている。


有難いと思っているのだが、

イライラしてつい乱暴な対応になってしまうことが多い。


今日も薬を持って来いと言ったら

ありったけ持って来たので

「こんなにいらない!一回分でいいんだ!」と怒鳴ってしまった。


母さんは何も言い返さなかったが、

娘があきれたように「先生が全部持ってきてくださいって言ってたんだよ。」

と私に言った。


それならそうと言えばいいのに、

母さんは黙って布団をなおしたり、看護師の様子を立ち上がって見たり

じっと座っていない。


帰り際に母さんは

「わたしはもう全然だめだから。お父さんにもあなたにも迷惑かけちゃって

 申し訳ないわ。」と娘につぶやいた。


「毎日来なくてもいいぞ。少しは休め。」と言うと

「でも顔見ないと安心できないし。ご飯ものどを通らないから。」

と言った。


二人は帰って行った。