入梅㊺ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

【14時05分】

 

河野京子を助手席に乗せた白い小型車は、暫くその場から動かなかった。私もひーも同様に動く事が出来ず、車内からじっとその様子を窺うだけだ。

 

「しゃちょう、どうしよう? 」

「どうするって…このまま動き出すのを待つしかないだろう」

 

ハンディカムのズーム機能で既にナンバーは押さえてある。もしも、ここで2人が別れて帰ってしまえば尾行するのは難しい。しかし、今後の調査に参考に出来る事は間違い無い。

 

「おい、ひー! 」

「なに?? 」

「買い物へ行け! 」

「かいもの?なんで?? 」

「ここで2人じっとしてたら警戒されるかも知れないだろう。お前が買い物で売り場に降りれば少し流れが変わるかも知れない」

「え~おれ、なにしたらいいの? 」

「何でもいいよ。とりあえず色々見てこい! 」

 

「あくまで買い物」を偽装する為にひーを車から降ろす。ひーは並んでいる赤い車と2人が乗る白い小型車の傍を通り店舗へと降りていく。程なくしてひーから着信が入った。

 

「どうだ? 」

「うん、おとこのひとだったよ」

「そうか…で?どんな男だ? 」

「そこまではよくわからないよ」

「分かった。ご苦労、ひと段落着いたら連絡するから下でゆっくりしてろ」

「うん」

 

そんな話をしている最中に、男性が運転する小型車のバックランプが点灯したのが見えた。

 

「おい、ひー! 」

「なに!? 」

「白い車が動く!お前は入り口の近くにいて、その車がスロープを下りてきたら国道へ出たか裏口を出たか、そこだけ確認して欲しい! 」

「うん」

 

ほぼ間違い無く、この屋上にいるのは私と河野京子、謎の男性3人だけだろう。この車を屋上からまともに追いかけてしまえば、調査はバレバレになっても不思議じゃない。

 

イチかバチかの賭けだったが、ひーに出て行った方向だけ見定めてもらい、タイミングをずらして全力で追いかける。今、出来る事はそれだけだ。

 

「ザッ!ザッ! 」

「? 」

 

さっき事務所の中で聞こえた足音がまた聞こえた!意味が分からず周囲を振り返ってみるが何も無いし、今はそれどころじゃない。シートを横に倒して半分横になった格好で車の行く末を凝視している。

 

やがて頭をこちらに向けた白い車はゆっくりと動き始める。私は相手に見えるギリギリまでハンディカムを回し続けた。

 

「…… 」

 

短い時間だったが、ハンドルを握る男性の顔を確かに見た。先日見た「A」の幹部社員らしき男とは明らかに違う。

 

「マジか!?じゃあ誰だ!! 」

 

頭の中に数々の「?」を増やしながら、横をすり抜けた車を再びハンディカムに収める。やがてスロープを下り後ろ姿が見えなくなるタイミングで私も頭をスロープの方へと向け直し、いつでも急発進出来る態勢を整える。勿論、ひーとの電話も繋がったままだ。

 

「ひー!聞こえるか? 」

「うん、きいてるよ」

「そっち行ったぞ! 」

「うん」

 

徐々にスロープの方へと近付きながら、次の声を待った。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

                        株式会社OTS探偵社
                        代表取締役   梅木 栄二