入梅㉖ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

単なる偶然なのかそれとも意図したものなのか。

 

もっとも、ただ買い物に来た可能性も否定は出来ないのだが、自宅からわざわざ訪れるような場所では無い。不自然さを感じた私は、すぐにYくんへ指示を出す。

 

「Yくん、Bの店内から先に見てきてくれ」

「っす! 」

 

勝手知ったる何とやらで、Yくんは私が言うまでも無く、すぐに店内へと歩いて行く。その間に私はモール全体の風景と河野京子が乗る車を撮影していく。

 

「はぁ… 」

 

熱を出したなんて久しぶりだった。どうにも身体が熱く、痛む。まさか昨日雨に晒されたくらいの事で風邪を惹いてしまうなんて随分と歳を取った…

 

YくんがBから出てくる。一瞬、緊張もしたが、彼はすぐに隣接するショッピングセンターへと歩いていく姿を見て少し肩透かしを食らった気がした。そもそも店の商品価格を操作出来るような立場の人間が一介の店舗にいる筈も無く、思わず鼻で笑ってしまう。

 

「ん…?( ,,`・ω・´)ンンン? 」

 

再びBの方を向いた時、私の視線はそこに釘付けになった。何事も無かった様に河野京子が店外へ出てきたのである。咄嗟だったが私はハンディカムを握って撮影した。

 

「何だよ…あいつちゃんと見たのかよ! 」

 

思わず舌打ちし、愚痴が零れてしまったが、助手席が開く音がしてYくんが飛び乗ってきた。

 

「わっ!!ビックリしたぁ!!何だよ!お前ちゃんと見てた… 」

「勿論、ちゃんと見てたっす!店内には間違い無くいなかったっす! 」

「と、いう事は… 」

「奥に入ってたか店舗入り口んトコにあるトイレに行ってたかどちらかっす! 」

「ところで、何でYくんアイツが出てきたのが分かったの? 」

「何となく気配を感じたっす。後ろ振り向いたらそのものがいるじゃないっすか!僕は驚いたっすよ! 」

「お前すげぇな… 」

 

野生の勘なのか、本気でおかしなヤツなのか。いずれにせよ、Yくんがあのまま隣のテナントへ入っていたら彼を置き去りで尾行しなくてはならない所だった。やっぱり変態天才は一味も二味も違う。

 

妙に感心している時間も与えられず、河野京子は車に乗り込むとすぐに移動を始めた。それなりに人気の多い場所柄、後ろをついて行く事に不自然さは無い。

 

「Yくん、どっちだと思う? 」

「何がっすか? 」

「河野京子がトイレに入っていたのかそれとも… 」

「店の奥って事っすか? 」

「うん」

「社長から見て、時間的にどっちっすか? 」

「わかんねぇ…(´;ω;`)ウゥゥ 」

「買い物している様子は無かったっすよ。でもトイレだったら、もっと道の手前にコンビニとか色々あったじゃないっすか」

「確かにな… 」

 

県道を流れる車をやり過ごしながら、河野京子ウインカーを元来た方向に立てている。国道の方へ戻ると言う事は、自宅方向へと戻る事になる。それを考えたら、何らかの目的があって、ここを訪れた可能性が高いと考えた方が自然だろう。

 

お気楽な調査とは言えない。私は熱い溜め息を吐き、再びハンドルを握り締めた。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二