入梅⑯ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

対象者が乗った赤い車は荒っぽい運転を続けているうちに、県境へと進んでいく。青いソフトクリームを楽しみにしていた私の目尻からは、一筋の涙が流れていく…

 

「そんなぁ… 」

 

別に、引き返せば食べられない訳でも無いのだが、ここから引き返したとして、営業時間内に帰れる保証も無い。

 

「くぅぅぅぅ… 」

 

ここは仕事の為に我慢だと自分に言い聞かせ、目の前の車に集中……したいのだが、どうにもこれが諦めきれない(´;ω;`)ウゥゥ

 

普段、私達は様々な「気になる店」を見る機会は多いのだが、実際に「寄る」となると話は別で、妄想だけがどんどん膨らんでいくばかりで、いつも「通過」するだけのお店が至る所に点在しているのが現実だ。

 

「クッソ~!!! 」

 

叫び声を上げ、爆発した感情と共に自分の切なる欲望を振り払う私。さっきよりは若干楽になったが、一度火のついた煩悩はそう簡単に消せるもんじゃない。

 

『福岡県に入りました』

 

ナビのアナウンスが聞こえ、とうとう県境を跨いだ事を知らされる。このまま彼女がどこへ行くのか予想も付かなかった。ただひとつ、ここから暫くは1本道が続くので、余程の事が無い限り、見失う心配も無い事は分かっている。

 

「んっ? 」

 

福岡県の八女市に入った所で、右折のウィンカーが点滅する。チラリとそちらに目をやるが、小さな住宅街へ続く細い道が入っているだけで、特段何かがありそうな雰囲気の場所という雰囲気でも無かった。無論、長い調査活動の中でもこの道を通った記憶は無い。

 

「ここはやり過ごそう… 」

 

初見だけにそう焦る事は無い。そもそも、こんな静かな場所で、いきなり私も同じように右折してしまえば、対象者に不審がられてしまう。

 

路肩が広かったので、赤い車の左横をすり抜けながら横目で運転席をチラリと見る。少し右側を向いていたので、ハッキリ捉えた訳でも無かったが、その横顔を見れば、クライアントが懸念する理由もすぐに理解出来た。

 

そのまま赤い車が見えなくなるまでまっすぐ進むと広い路肩に停車する。すぐにナビを操作し、彼女が曲がった付近の地理を見た。

 

路地はすぐに二股に分かれていて、ぐるりと円を描く様に集落を1周して繋がっている。予想よりも遥かに小さな集落だという事が分かるし、他の地域へ抜ける抜け道といった感じも無さそうだ。

 

頭の中でイメージする。彼女が目的地へ着いて車を降り、目当ての場所へ入っていく…

 

少なくとも、彼女が車内へ残ったままの状態の所へはやり過ごすにしても通る事は出来ない。何も分からないうちに私の車を記憶に刻む事だけは避けたかったのだ。

 

彼女を追い越してからやがて10分が過ぎた。小さすぎる集落だけに、知らない車には敏感であろう事は承知しているが、だからといってそこへ入らなければ何も分からない。

 

「よし、行こう」

 

車をUターンさせた。

 

(続く)

 

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二