職場の影(54) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

【07時15分】

 

「狩野先生、どうだったっすか? 」

「あぁ… 」

 

翌日、またYくんとタッグを組み、柏原幸広の自宅へと向かう途中で、気にしていたのかYくんが徐に尋ねてきた。私としてはイケると思っていたネタだっただけに意気消沈してしまっていて、気の無い返事を返しただけだったのだが…

 

「何すか?上手くいかなかったっすか? 」

 

追い打ちをかける様に食い下がるYくん。仕方が無いので昨日のやり取りを話す事にした。

 

「あぁ、見事に却下されたよ。弁護士としての倫理上、そんな場外乱闘みたいな真似は出来ないんだって」

「そうっすか。まぁ、先生の事だからそんなもんじゃないっすか? 」

「やっぱそうなんかなぁ… 」

「いや、僕が思うには先生、底が知れない所があるっすから、きっと別の方法考えてるんじゃないかと思うっすよね… 」

「う~ん… 」

「いずれにせよ、僕らが考える範疇じゃないっすよ。とにかく徹底的に調べ上げて、情報を先生に伝えるのが我々の仕事っすから。それとも何すか?社長、今から弁護士にでもなろうって考えっすか? 」

「いや、そういう訳じゃ… 」

「そもそも小学校低学年くらいの学力しかない社長が無理っすよ」

「くッ! 」

「バカの考え休むに似たりって言うじゃないっすか! 」

「貴様… 」

 

今すぐ手りゅう弾のピンを抜いてYくんに放り投げ、自分だけ車から脱出したい気分になるが、確かにYくんの言う事にも一理あるのかも知れない。方法論をどうこう語るより、自分達が出来る仕事に全力を尽くす。その上で先生の判断を仰がなければならないのだろう。

 

「今日と明日で調査も終わりか… 」

 

柏原幸広の素行を目の当たりにして、喜び勇んだ私だったが結局は無力なまま…この調査も千秋楽を迎えてしまう。どこか気持ちに折り合いの付かぬまま…私は現場へと車を走らせた。

 

【07時28分】

 

見慣れたアパートを撮影し、近くのコインパーキングへ待機する。何日も続けていると、それはやがてひとつのルーティンへと化していく。

 

長い張り込みから解放されるのは、ある意味嬉しいが、どこかこの案件にも、もうひと山が欲しい。だからと言ってヤラセなんて出来る筈も無く…

 

【09時40分】

 

いつもの時間まで待っていたのだが一向に柏原幸広も彼女も出てはこない。この日は何かがおかしいと思いながらも私とYくんは2人が出掛けるのをじっと待っていた。

 

「おい、Yくん。中、いるんだろ? 」

「いる筈っすよ。室内の明かりは点いてたっすから」

「(電気)メーターは? 」

「勿論、ガンガンっすよ」

「そっかぁ… 」

 

この調査に入ってから感じる初めての違和感だった。私達がここへ張り込むのがルーティンな様に、彼らがパチンコを打ちに朝から出掛けるのも同じようにルーティンであると認識していたからなのだが、この日に限っては一向にその様子を感じる事は出来なかったのだ。

 

一度私も様子を見に行きたかったのだが、万一ドアの前で鉢合わせなんて事になったら、その後が大変だ。仕方なく、いつものコンビニで買って来た菓子パンを頬張りながらじっと待っていた。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二