別れられない女(36) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(貧乏探偵を脱出する為・・・皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・




こちらを見て頂ければお話の見方もきっと変わるはず! 

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待つ事・・・・1時間位経ったであろうか・・・。


「寒い・・・・・」


「っすねぇ・・・・。」


Kさんには車内に乗って戴いている為にあまり感じないかも知れないが・・・結構寒い。


シンと静まり返った中、私達の車のエンジン音だけが鳴り響いていた・・・。


当然・・・・猫(の鈴)も動いてはいない。


恐らくは・・・・タクシーに女性を乗せたまま帰宅する可能性が高いと踏んでいた・・・。


「兎に角・・・Kさんの安全確保が第一だかんな・・・。」


「分かってるっすよ・・・・次は僕の安全はーと


「馬鹿野郎!俺が怪我したら・・・みんな明日からどうやって喰っていくんだよ・・。」


「労災降りないんすか?」


「そんな高級なもんウチにあるか!」


「はぁ・・・・・僕も再就職考えるしかないっすねぇ・・・」


「おめ~みて~な人間雇うトコがあったらこっちが教えて欲しいわ!!」


「なんすかそれ・・・・言っときますけど・・・学歴は僕の方が上っすよ!!」


「・・・・・・ほっとけ・・」


そんな馬鹿な事を言い合っているその時!!


ヘッドライトが光った!!


「来たぞ!!」


「了・・・・解。」


相手は中年男性ではあるが兎に角「デカイ」・・・・


しかも・・・


すぐに「切れる」


単なる「喧嘩」なら別に臆する必要も無いが・・・


あくまで「話し合い」の場を強制的につくるだけである。


だから対象者に攻撃も禁物である。


何とも言えない緊張感の中・・・・・


対象者も・・・・


いつもとは違うアパート敷地内の雰囲気に気付いた様である・・・。


「おい!Y君!!」


「っす!」


「車(タクシー)逃げられない様にさり気なく入口塞げ!!」


「っす!!」


Y君は・・・・対象者の乗ったタクシーの横を歩くとアパート敷地内の出入口に立ち塞がった。


タクシーは・・・・


異変に気付いたのか


「ブブーーーーー!!!」


と私達に「退け!!」と言わんばかり・・・・クラクションを鳴らして威嚇する。


私は静かに・・・・・タクシーの運転席に近づいた・・・。


「こんばんわ・・・・Kさん(対象者)」


「お・・・・お前・・・・・2・3日前に俺を付回していたヤツだな!!」


そう言うと・・・・


「ガチャッ!!」


対象者は大きな体をタクシーの外に投げ出す様に・・・降車した。


私の前に立ち塞がった対象者・・・・・やっぱりデカイ・・・汗


「お前・・・・・一体この間から何の用だ!!」


いきなり喧嘩口調で吠える。


「Kさん・・・・・おたくが一番良く分かっていらっしゃるんじゃないですか・・・。」


あくまで・・・・冷静に答える私・・・。


その場の空気が・・・・一気に緊張する。


「●●(依頼者)に頼まれたのか・・・・?」


「良く分かっていらっしゃるじゃないですか・・・。」


「おめぇにゃ関係ねぇだろ!!すっ込んでろ!!!」


「残念ながら・・・・関係無くはないからここに居るんですよ・・・。」


「てめぇ・・・・怪我してぇのか・・・。」


「積極的に怪我する訳にはいかないけどね・・・でもこの間のようにはいかないですよ・・・。」


来る!!と思った瞬間!!


「ちょっと・・・・・アンタ誰よ?」


後部座席に座った対象者の情交相手が敵意を剥き出しにした口調で・・・車の中から話しかけた・・。


「どうも・・・・梅木です。」


「はぁ??」


呆気に取られる女性・・・・・・


そりゃそうだ・・・・


いきなり名乗られて訳がわかんないだろう・・・・でもこれも「作戦」。


ちなみに・・・・


私はこんな時、決して偽名を使わない・・・。


後々・・・


トラブルになった時、偽名では何かと不味いと思うし・・・・何より悪い事してる訳じゃないんだから「偽名」である必要性も何処にも無い。


とりあえず・・・・こんな雰囲気の中・・・・


ヘンテコな私の答えに女性が黙り込んだ事は言うまでも無い・・・。


「テメェ・・・・ふざけやがって・・・・・叩っ殺してやる!!!」


来るか!!と思った瞬間!!


「ちょっと待って!!」


Kさんが車から降りて叫んだ!!


「○○(Kさんの名前)・・・なんでお前が・・・」


と奥さんを見て・・・・


一瞬「意気消沈」した様に見えたが・・・・


「ふざけんな~!!!!」


対象者が右手を上げたまま依頼者の方に走ろうとした!!


「ヤバイ!!」


私は・・・・・


咄嗟に対象者の腰のあたりにしがみ付いた!!


「なんじゃわりゃ~!!!!」


奥襟を捕まれ前に引きずられる私!


はぁ~・・・・やっぱコイツ巨漢なだけじゃないね・・・怪力だわ・・・



等と嘆く暇も無く対象者は私を依頼者の方に投げつけた!!


「キャッ!!」


勢いで依頼者にぶつかってしまう!!


咄嗟に体を捻り・・・依頼者の上に乗っからない様にするのが精一杯だった・・・。


依頼者と私は・・・それぞれ違う場所に尻餅をついた!


「おい!!てめぇ何やってんだ!!」


そこには・・・・・


久々に「ブチ切れた」Y君が立っていた。


「てめぇウチの社長とKさんに何やってんだよ!!」


いきなり「蹴り」のモーション・・・・


こう見えてY君・・・・・・


「実践空手」の指導員であり、バットを「ハイキック」でヘシ折ってしまう位の達人である・・・。


やばい!と思った私は


「ちょ・・・・待て!!待てY君!!」とY君を制した!!


Y君が躊躇した瞬間!!


「こらぁ!!」


と訳の分からない叫び声を上げながら対象者はY君に殴りかかった!!


「うおっ!!」


さすがのY君も1発目をかわすのが精一杯だった!!


「ちょっと待て!!」


急いで立ち上がった私は対象者の目前に立った・・・


「おい・・・キサマ・・・・俺達が手ぇ出さねぇからって・・・・調子にのんなよ・・・・」


気がつけば・・・・私も久々に切れていた・・・・


というよりは・・・・


仕事上で切れたのは今の所・・・・これが最初で最後である・・・。


倒れたはずみで・・・・手の甲を擦り剥いたらしい・・・


拳を口に当てると・・・・鉄の味がした・・・・


その場の雰囲気は一気にヒートアップする。


静まり返った住宅街に・・・・俄かにざわめきが起こり始める・・・。


(続く)