別れられない女(28) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 熊本情報へ にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログへ にほんブログ村 恋愛ブログへ

↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ 

(貧乏探偵を脱出する為・・・皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・




もし、調査機器にご興味がある方はこちらへ → ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」コラム-あいざわ調査室ショップバナー





状況から考えればまず対象者はこの時間警戒はしていないだろう・・・。


私はそんな事を助手席で考えていた・・・。


「やっぱ街っすかねぇ・・・・」


「多分な・・・・・」


しかし・・・・正直こんな展開は考えてもみなかった。


私達は対象者の帰宅時に気を取られすぎてしまい、対象者が現在おかれている生活状況には全く目を向けていなかったと考えていい・・・。


どんなに酷い男でも・・・・別に居を構えていればそこには生活状況が存在する。その事を露ほどにも考えていなかった自分が情けなかった・・・。


当時の私は探偵としても社会人としてもまだまだ経験不足だったと思う。(今でもたいして変わんないがはぁ・・・


・・・・・・・・そんな事を考えているうちに・・


対象者と女性を乗せたタクシーは熊本市街方面へと近づいてきた。


「Y君。」


「っす!」


「あんまり近づくなよ・・・・タクシー止まったら離れたトコで俺を降ろしてくれ。」


「はいはい・・・」


案の定・・・・タクシーは市街地のど真ん中、通称「銀座通り」なる場所で停車した。


「よっしゃ!ここでいい・・・。」


私はY君に車を止めさせ、女性の降車を待った・・・。


女性はタクシーを降りると・・・対象者に手を振って歩き出した・・・。


その仕草から・・・女性が対象者の情交相手である事を確信するに至ったのである。


「間違いねぇな・・・・」


私は少しだけ安堵した。


正直、対象者がどの様な女性とどの様な生活を送っているのか・・・たった1日・2日の調査では分かり様も無い。


勿論、ご依頼者であるKさんも依頼当初そこまでは契約条項に含まれてはいないと考えている。


しかし・・・・ナケナシのお金を必死に持ってきてウチに頼まれたのである・・・。少しでも多くの情報が欲しいに決まっている。


そんな思いがこの尾行調査に繋がったと言っても過言では無い。


私達の仕事は・・・商品を購入する様にハッキリとした明確な料金規定は存在しない。


そんな事も・・・今日「悪徳探偵」を大多数排出してしまうに至った原因であろう・・・と思う。


仕事次第で・・・高額な報酬も「値段以上」にもなれば「高い買い物」になってしまう事だって当然あり得るのである。


全ては・・・私達の「調査(しごと)」にかかっているのだ。


良い仕事が出来れば・・・ご依頼者は自らが失ってしまった「時間」を取り戻す事が出来るかも知れないし、危機を事前に察知し、これから起こりうる困難を回避する事だって可能であろう。


だから私達は常に・・・「値段以上のモノ」を提供出来る様に心掛けなければならないのである。と同時に「小さな親切」が「大きなお世話」にもならない様にも心掛けなければならないのだ。


逆にこうした積み重ねが無かったら・・・ウチみたいなショボイ会社はあっと言う間に「露」と消えてしまっていたかも知れない・・・。


話は・・・・思いっきり脱線したので戻るが・・・ビックリ


「行ってくる。」


「たのんます。」


私は静かに女性の尾行を開始した・・・。


女性は・・・・見た所40代後半位だろうか・・・・実年齢よりも多少若く見えるかも知れない。


後姿は・・・言っちゃ失礼だがまだまだ若い女性にもそう引けを取らない・・・かも知れない。


当然、格好は年齢相応のものではあるが・・・・


そこに漂う中年女性の色香が・・・クラブのものであるのかスナックのものであるのか・・・お子ちゃまな私には皆目検討もつかなかった・・・。


そんな事を考えながら徒歩尾行していたら・・・


女性は所謂「飲み屋街」を抜け・・・・「風俗街」へと歩いていった。


「う・・・・嘘・・・・まさかっしょ・・・・ガクブル


嫌な予感がした・・・・


距離をとって歩いていたので・・・・女性に気付かれる心配は無かったが・・・


「はい!いらっしゃい!!社長!お安くしときますよ!!」


「お兄さん!可愛い娘いるよ!!寄ってかない?」


ポン引きのお兄さん方の・・・・営業ラッシュである。


「い・・・いや今日はいいっす・・・・あせ①


目を合わさない様にすり抜けるのが精一杯であった・・・。


そして女性は・・・・予感した通り(状況から考えたら当たり前)・・・・・


「●●●」という名のソープラン●へ入っていった・・・・・。


はぁ~・・・・・風俗のおばさんお姉さんかよ・・・・・・・


私は狼狽した・・・。


どういう経緯で対象者と女性が知り合い、同棲するに至ったのかは知らないが・・・・


飲み屋のお姉さんだとばかり思っていた私の憶測は完全にハズれていた・・・。


色んな意味で・・・この調査は予想に反した事が多い・・・。


「ま・・・・こんなモンでいいか・・・。」


敢えて女性の源氏名等まで調べる必要は無いだろう・・・・。私は風俗街を抜けY君と合流した・・・。


「はぁ~・・・・まさかソープとは・・・・思っても見なかったっすねぇ・・・・」


「だな・・・・。」


疲れと・・・・・色んな思いが入り混じり私は既にクタクタであった・・・。半ば放心状態で対象者のアパートに向かった・・・。


(続く)