別れられない女(16) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

対象者使用車両を探し、私とHKY君は二手に分かれた・・・・。


しかし・・・どうも様子がおかしい・・・この辺りにある筈の車輌が見つからない。


案の定・・・・付近を捜索するのみしか方法が無い為、すぐに変Y君と出会う。


「なんだよ・・・・Y君はもうちょっと遠方を探してよ・・。」


「何ですか?社長面が割れてんすから社長が遠方担当が筋でしょう・・。」


「嫌だよ・・・」


・・・・・そんな馬鹿げた会話を交わすうちに・・・二人はある事に気付く。


「おい・・・Y君、この路地に○○(対象者使用車輌)通るかな・・・」


「・・・・っすねぇ・・・・多分・・・・ギリ行けるんじゃないっすか。」


二人は吸い込まれる様に路地の奥へと進んだ。


5m程路地を進むと・・・・・いかにも古びた4世帯程のアパート・・・そして・・


対象者の車を発見した!!


※臨場感を演出する為に、小声でイキます・・・


「おい!!あった!!あったよ!!!」



「やった!!やったっすねぇ!!このヤロ~・・こんな所に雲隠れしてやがったのか!!」



「いや!!でも大丈夫か!?対象者まさか車ん中にゃいね~よな!!」



「・・・・大丈夫みたいっす!」



・・・・・・・・賢明な読者の皆様にはお解かり頂けると思うが・・・深夜の現場で疲れがピークに達するとテンションだけは変に高い。・・・しかし声を上げられないというジレンマを抱え殆ど・・・・


「パクパク!!」


「パクパクパク!!」


・・・・・・といった・・・まるで「金魚」の会話の様なのだ金魚


そして・・・二人は・・・そのアパートを粗同時に見上げた。


築年数ゆうに30年は経過したであろう小さなアパートは、まるで袋地にひっそりと建つ「要塞」の様にも見える。


4所帯あるが、既に1部屋は誰も住んでおらず・・・正確には3分の1の確立である。


不幸中の幸いであるが、駐車場と隣接している為、見た目にもここに対象者が住んでいる事は間違い無さそうだ・・・。


「どこっすかねぇ・・・・」



「う~ん・・・・・・。」



「女性の家に転がり込んでいるならば・・・・やっぱ2階の部屋っしょ・・・」



「そうだな・・・・・。」



「そう考えれば2分の1っすね・・・。」



「だけどなぁ・・・・そんなに若い女性でもないだろうからな・・・このアパートの雰囲気からしてもその推理はあてにならないかもよ・・・」



「っすねぇ・・・・・。」


そんなどうでも良い推理を二人で行いつつ・・・・各部屋を見つめる二人・・・。


駐車場とは名ばかりの「敷地」である。車は対象者のものしか駐車されていない・・・。


「今夜は無理かな・・・・・」



「かもっすねぇ・・・・」


そう言いつつ・・・・小声で話し続ける事に二人はフラストレーションを抱えていた・・。


「兎に角・・・・1回出よう・・・・」


そう言って私と変態君はその場を離れた・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あ~・・・・・小声で話し続けるのも意外としんどいな・・。」


「っす!」


路地で話すには閑静な住宅街でもあり、人目も憚られる事から・・・二人は車に戻る事にした・・・。


付近の空地に止めてあった車に戻り・・・・何とか今夜中に対象者の居場所を特定出来ないものか二人は議論した・・・。


「何とかなんないかねぇ・・・」


「っすね・・・・どっちにしても・・・・あそこで待ち伏せて確認は無理っぽいっすからね・・・。」


「だよなぁ・・・・」


「せめて女性の名前でも分かってればなぁ・・・・・」


「何かないっすかねぇ・・・・・」


そんな事を話しながら・・・・二人頭を抱えている所に・・・・


「ピカッキラキラオレンジ


と光が射し込んだ!!!


二人は慌てて光の方向へと視線を向けた!!


(続く)