別れられない女(4) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(貧乏探偵を脱出する為・・・皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・

こちらも合わせてお願い致しますお願い・・・・・)







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ささやかながら幸せな日々が続いたある日の事。


Kさんはパートから帰宅し、自宅に戻ると驚いた。


自宅内は荒らされ・・・まるで台風でも過ぎ去ったかの様な有様だった・・・。


Kさんは驚き・・・預金通帳をしまっておいた戸棚に目をやった・・・。


「ない・・・・」


少ないパートで稼いだお金から蓄えた預金通帳が無くなっていたのだ。


「泥棒・・・・?」


Kさんが途方に暮れていると・・・そこに夫が帰宅した・・・。


「あなた!!・・・通帳が・・・・」


「・・・・・・・・・・」


夫は返事をしない・・・。


「まさか・・・・・・」


Kさんはそこで全てを悟った・・・


通帳は・・・空き巣被害に遭ったのでは無く、夫が持ち出したのだ。


子供達の為にと・・・・必死で蓄えた僅かばかりのお金・・・Kさんの怒りは頂点に達した。


「あなた!私の預金通帳は!?返して!!」


夫は・・・無言のまま制服のポケットから無造作に出しKさんの目の前に投げた・・・。


慌てて通帳を開いてみるKさん・・・。


「い・・・1円も残ってない・・・」


残高は・・・0であった。


「なんに使ったの?ねぇ!!」


必死で食い下がるKさんに・・・夫は答えた・・・。


「うるせぇ・・・・」


そう言い放ち・・・掴みかかったKさんを投げ飛ばす様に振り払った!!


狭い家の中・・・・Kさんはテーブルで顔面を強打し、出血した・・・。


「うううっ・・・・・」


顔を押さえてうずくまるKさんを残し・・・・夫は家を出た・・・。


結局・・・・その後Kさんは夫の姿を一昨日迄見てはいない。


また新しい女性が出来、その家に転がり込んでいる事は分かっている・・・。


しかし・・・Kさんはそんな夫の所在を確認出来てはいなかった・・・。


夫は・・・何事も無かった様に現在も変わらずバス会社に勤務しているとの情報のみである。


その後なぜKさんが夫の帰り先を探さなかったのか?


子供達の養育に追われそれどころでは無かったと言うのが「答え」である。


その奇妙な「別居関係」は今も続いている・・・。


その後も話を伺ったが・・・・3人の子供さん達を育てる為・・・想像を絶する苦労があった事は明らかであった・・・。


「そうなんですね・・・・」


「はい・・・・」


「しかし・・・・・その傷は何故?」


「数日前に一度帰ってきたんです。」


「何の為に?」


「・・・・・・結局はお金です。」


夫は・・・・長男が今社会人として働いている事を何処で聞いたのか・・・


Kさん宅が以前より若干生活が楽になったであろう事を見越して・・・


性懲りも無く「金の無心」に訪れたのである。


勿論・・・・・Kさん宅に少しの蓄えはあった・・・とは言っても家族4人の生活を考えれば、どの程度であったかは知れている・・・。


Kさんは当然「拒否」した。


しかし・・・・夫は狂った様に暴れ出し・・・今のKさんに痕跡を残したのである・・。


普段・・・出来る限り仕事に「私情」は挟まない私であるが・・・


この時ばかりは頭に来た!!


「奥様!警察に被害届を出しましょう!!」


しかし・・・Kさんは首を縦には振らなかった・・・。


「一応・・・あの子達の父親ですから・・・」


「・・・・しかし・・・・子供さん達は何て?・・」


「子供達も頭には来ています・・・でも・・・お父さんだからと・・・我慢しなさいって・・・」


私は感じた・・・「深情け」にも程があると・・・・


Kさんの気持ちを全て理解出来ない訳ではない。


しかし・・・・現在のご主人が一体Kさん一家に何を与えているだろうか・・・。


「じゃあ・・・お聞きしますが・・・何の為にご主人を探すのですか?」


素朴な疑問であった・・・。


Kさんは・・・・・静かに答えた・・・。


「私も・・・・・踏ん切りをつけたいのです。」と。


(続く)