(こちらもどうぞ・・・・宜しくお願い致します)
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(18:05)
対象者を乗せた男性の車輌は・・・・対象者宅と全く逆方向へと進行していく・・・。
「そんなんアリか?・・・・」
私が呟く・・・・。
「でも・・・どう見てもあの男は30代っすよ・・・10歳以上年の差あるっしょ・・・」
Y君も否定した。
「そうだなぁ・・・・あんだけ堂々と普通会社の真ん前では乗らないよな・・・会社の用事でもあんのかな・・・・」
「違うだろう」との予測を元に私達は男性車輌から2~3台後ろを尾行してついて行く・・・。
時は11月・・・・辺りは既に暗い・・・尾行調査を行うには非常にやり易いシーズンである・・。
(18:45)
すると車輌は・・・・地元の公園駐車場に進入した。
ちなみに・・・その公園駐車場は「カーS○X」のメッカである・・・と私達は勝手に思っている・・・。
私達は一旦やり過ごし・・・しばらく時間を置いて同じ駐車場内に入る・・。
「おいおい・・・会社の用事でこんなトコ来るかよ・・・・」
「っすね!」 ←(楽しそう)
「やばいな・・・・・道具あんまり持って来てないぞ・・・。」
「社長、走って取ってきますか?」
「・・・・・・・・・」
「じょ・・・冗談っすよ~・・取ってきましょうか?」
「うん・・・・でももう少し様子を見よう。今、動き出されたらマズイ・・・」
私達はしばらく男性の車(対象車輌)を遠巻きに観察する事にした・・・とは言っても周辺は既に暗く、二人の乗車した車を公園の街灯がかすかに照らすダケである・・・。
「おい・・・Y君、あの車に近づけるかな・・・?」
「・・・・っすね・・・・今時間はちょっと難しいでしょ・・・」
「でもよ・・・あの車の向こうの正面にある壁・・・あの向こうには何かあったっけ?」
「いや・・・・そうっすね・・・確か向こうも駐車場だったっしょ・・・」
Y君は私の考えを察してくれた様子である・・・。
Y君は調査車輌から降りると対象車輌に気付かれぬ様、慎重に対象車輌の正面(壁)の向こうに移動した・・・壁は相当老朽化しており、誰かの悪戯であちこちが欠けている・・・
その適当な所を探し・・・対象車輌の・・・せめて様子だけでも把握したい・・・。
暗闇に紛れて・・・・Y君は対象車輌の様子を伺った・・・・みたいである。すぐに私の携帯電話が鳴った・・・・。
「はい・・」
「た・・たたた・・・大変っすよ!!」
「大変そうにしちゃ声が弾んでるな・・・なんで?」
「男も対象者(奥さん)も・・・・前の座席にはいないっす!!」
「はぁ~・・・・もうS○Xかい?」
「多分・・・車も揺れてるっす!!」
「前から見える?」
「見たいんすケドね・・・この車(ワゴン車)多分・・・前の座席と後部座席との間に・・・カーテンみたいな・・・何かひいてあると思うっすよ・・・・全く後見えないモン・・・」
「・・・・・わかった・・・今日は諦めよう・・・」
必ず・・・・・ではないが・・・・この様な状況の場合、条件が良ければ車内の様子も撮影する・・・。しかし不幸にもこの日はまさかこんな展開を予想してはいなかった・・・・悔しい・・・。
Y君が戻る・・・・
「社長・・・暫くじっとしてたら・・・・すんげ~・・・近所迷惑な位、対象者(奥さん)大声で喘いでますよ・・・俺熟女には興味無いケド・・・」
「・・・・・・」
こんな展開を予想していなかったダケに悔しさが滲む・・・・・
カーS○Xの現場を証拠撮影する事は犯罪にはならない・・・・ただ、リスクの高い撮影になるし上手く撮影出来たとしても・・・そのあまりの生々しさに・・・・依頼者は言葉を失う事が殆どである。
だから・・・と言う訳ではないが・・・まさかこんな安易な方法で情交に及ぶとは思えず、赤外線ライトを用意していなかった・・・・。
私は・・・・ご依頼者の感情が爆発する事を恐れ・・・今日に関しては報告する事(カーS○Xの事実)を止めた・・。
となれば気持ちを切替え・・・次の展開を考える・・・。
私達「探偵」は万が一ミスがあってもすぐに気持ちを切り替えなければ良い仕事が出来ない・・・。
結局、少々の失敗を引きずっては調査全体が「グダグダ」になるだけである・・・。
「よし・・・・男が奥さんを降ろすトコは何とか押さえよう・・・」
とは言っても・・・・お互いの勤務先で一緒に乗車し・・・後は何処かしら迄送るのみである・・・・。
次の展開が予想出来なかった・・・。
仕方無い・・・「やるだけ」である・・・。
(19:20)
情交が済んだのか・・・車内の明かりがかすかに点灯した・・・
(続く)