人格破壊(6) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(こちらもどうぞ・・・・宜しくお願い致します)お願い


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T氏はポツリ・ポツリ・・・と話始めた・・・・・。


「はぁ・・・いや・・・実は・・・私が単身で出て暫くしてからの事だったんですが・・・。」


「はい。」


「いや・・・あの・・・ちょっと・・・私がね・・・」


「はい・・・?」


「ちょっと・・・・浮気というか・・・・」


「・・・・」


「ヘルスにはまっている時期がありまして・・・・」


「・・・・・」


「単身赴任・・・ですよね・・・何故奥様にバレたんですか?」


「実は・・・その・・・・」


「男同士ですから・・・心配なさらなくて結構ですよ・・・。」


「実は・・・・病気が・・・・」


「なるほど・・・性病を奥様にうつしてしまわれた訳ですね・・・。」


「はぁ・・・それに・・・」


「他にも?」


「ちょうど・・・その頃・・同僚に誘われて・・・競馬にハマってしまいまして・・・」


「なるほど・・・」


「妻に内緒で・・・子供の学資保険を・・・・解約してしまったんです・・・」


「はぁ・・・・・・(私)・・・・はぁ・・・


いよいよ・・・・奥様の浮気騒動は真実味を帯びてきた・・・・・。


「それだけの事情であれば・・・相当揉めたでしょう・・・」


「はぁ・・・・はぃ・・・・・」


「で・・・・結果どうなりました・・・・」


「はぁ・・・・まぁ何とか・・・・」


「許して貰えたんですね・・・」


「・・・・と言うか・・・・私が単身という事もあって・・・・曖昧と言うか・・・」


「なるほど・・・・」


今回の案件の「ツボ」はここにあるようである・・・。


「事情は良く理解出来ました・・・それでご主人としては今後どうなさりたいのでしょう・・・。」


「わ・・・・私は・・・・妻も・・・う・・・浮気相手も許せません!!」


ため息


「あのですね・・・・Tさん・・・」


「はぁぃ・・・?」


「たった今・・・事情をお伺いしましたよね?」


「はぁ・・」


「くどい様ですが・・・もしも奥様が黒だと仮定しましょう・・・原因の一端はTさん・・・貴方にもあるとは言えなくはないのでしょうか?」


私の悪い「癖」である・・・既にその時私は半分「キレ」かかっていた・・・・・。


商売・商売で考えれば・・・・黙って聞いてりゃいいものを・・・・・ため息


今までこんな調子で・・・何度もお客様に対し見様によっては「無礼」を働いてきた私・・・・


こんな調子で・・・調査をお断りした案件も一度や二度では無い・・・・


その度に・・・・家内やスタッフの呆れ顔が・・・・いや・・・そん時は浮かばない・・・・・


浮かぶのは・・・・決裂してお客様が「帰った」後である・・・・ううっ...


ふと我に還った私は・・・とりあえず自身に・・・「どう・・・どう・・ウマ」と言い聞かせた・・・。


まず冷静に話し合った後でも断る事は出来る・・・・と思い・・・・


「あの・・・・」


「はぁ・・・」


「あくまで私達の経験上のお話ですが・・・・女性が仮に浮気するとなると・・・男性のソレとは違うので・・・」


「大変な勇気が必要になります・・・」


「はぁ・・・」


「特に・・・今回の様にご主人様や子供さんがいらっしゃる場合・・・そう簡単に割り切って浮気出来るものではありませんよ・・・。」


「はぁ・・・・・・」


「男性は欲から入りますが・・・女性の場合・・・大概は心から入ると考えられますからね・・・」


「・・・・・」


「ところでTさん」


「はぁ・・・」


「もしも最悪の場合・・・奥様とご離婚なさるおつもりですか?」


T氏は・・・首を「ブルブル」と横に振る。


「ならば・・・・まずご自身の不祥事をしっかり捉えて反省すべきは反省して下さい・・・そこから全てが始まると思いますよ・・・」


「・・・・」


「もう少しは冷静になれますよね・・・・」


「・・・・・・・はぁ・・・」


私は具体的な調査の料金・方法等・・・・通り一辺倒の事をT氏に説明し重要事項説明書(※)を記入し手渡した・・・・。


「梅木さん」


「はい?」


「ご返事はいつまでにしたらいいですか・・・」


「別に調査をお急ぎでなければ私は急ぎませんよ・・・」


「はぁ・・・・」


T氏は・・・明日最終的な返事をしてくれると言い、事務所を後にした・・・・・。


恐らく・・・今回は確実に「黒」だろう・・・・しかも入口の原因たるや・・・まさにT氏の失態である・・・・。想像以上に「根」が深くなければ良いが・・・・・。


私は・・・・・


相談を受けた際、どうしても「解決」のイメージが先に浮かぶ。


私の言う「解決」とは・・・ご依頼者様の切なる「希望」の事である。


僅かな「希望」に「現実」を少しでも近づける事が・・・私達の「仕事」ではないだろうか・・・


勿論、私達は何の「権力」も持たないただの「民間団体」である・・・。人生の結末は誰にも予測出来ないし、何人たりとも「結論」付ける権利すらない・・・・。


だから・・・少しでもそのご依頼者様の「イメージ」に近づく為に・・・


自らの想いに「妥協」は出来ない。


ご依頼者様のイメージと私達のイメージに・・・あまりに「開き」があった場合には・・・


「ご縁」が無かったと思うしかない・・・。


最近は・・・・


女性の「浮気」問題も随分と増えた・・・


私個人の考えの域は出ないが・・・


女性の場合・・・正確には「浮気」ではない案件が多いような気がする・・・


しかし・・・・考えて欲しいのは・・・


今、自分が生きて立っているその「現実」が・・・


気付かないかも知れないが・・・一番「幸せ」であるという事。


これだけ世知辛い世の中だから仕方無い気もするが・・・・


今までの生活全てを失って、初めて自身が「幸せ」だった事に気付く人も多い・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そんな事をぼんやり考えながら・・・・


私はまだお引き受けしてもいない案件の・・・


「解決」というイメージから時計の針を逆回転させ・・・・・


具体的なプロセスを考えている・・・・。


調査は・・・・


実際にやってみないと分からない事が殆どであるし、ぶっちゃけ・・「出たトコ勝負」な事が多い。


出たトコ勝負は今までの経験でカバー出来る事が多いから・・・あまり複雑には考えない・・・。


色んな事が・・・・私の小さな・・・小さな・・・「脳ミソ」に入っては消える・・・・(しかもシワも少ない・・・じゅる・・あせ①


その日は比較的早い時間に事務所を閉め・・・・翌日の返事を待った・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日・・・・昼を回った頃・・・T氏より連絡が入った・・・・


「あ・・梅木さんですか?」


「はい。」


「あのう・・・・ちょっとお聞きしたい事が・・・」


「どうぞ・・・」


私はT氏の話に項垂れた・・・・・はぁ・・・


(続く)





※重要事項説明書とは・・・・・


探偵業法に定められる調査に関する項目・料金(概算)・日数他、調査に関わる重要な説明を残した大切な書面です。調査の有無に関わらず面談等を行なった場合、業者は書面の交付が必要になります。詳細は当社HP若しくは日調協HP・九調協HP等をご参考にされて下さい。