渋谷シネマヴェーラにて、『レディ・イヴ』(1941)と『アパッチ砦』(1948)を鑑賞(2本立て)。ともにヘンリー・フォンダ主演作品で、前作はプレストン・スタージェス監督によるスクリューボル・コメディ、後者はジョン・フォード監督による西部劇だ。
『レディ・イヴ』は女詐欺師(バーバラ・スタンウィック)と御曹司(ヘンリー・フォンダ)が繰り広げる抱腹絶倒の名作で、シャレた台詞といい、スピーディな展開、反復による可笑しさ…と、安心して見られる93分だった。スタージェスは知る人ぞ知るスクリューボール・コメディの名匠だが、その作品をスクリーンで観たのは初めて。ジャンル特有のエロスが全編にわたって漂い、とくに冒頭のバーバラ・スタンウィックの〈誘惑〉には驚かされた。これまで“ヘビ”しか知らなかった世間知らずのヘンリー・フォンダをコロリと落とすテクニックはさすが詐欺師の面目躍如といったところだが、ついつい恋に本気になってしまったがために、反対に自分がヘンリー・フォンダの方を必死で追いかけることになる。その繰り返される男と女の“スクリューボールな”追いかけっこが見どころだ。同じく詐欺師の父親(チャールズ・コバーン)との会話によれば、バーバラ・スタンウィックが恋に本気になり失恋したことが幾度もあるようなので、実は彼女は詐欺師としては未熟で、むしろ〈恋多き女〉だったのだろう。実際ヘンリー・フォンダからいくらせしめることができたのだろう?(ひ)
「特集:映画史上の名作7」渋谷シネマヴェーラにて
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