京都電気鉄道後期型精密模型 ポール回し改造 | レールは、こころをつなぐ道。

伏見チンチン電車の会が梅小路公園市電展示室で保守管理している、日本最初の電気鉄道、京都電気鉄道後期型車両の 8.4分の1大型精密模型は2001年に製作され、2008年製作者が亡くなり家族から引き受け、動かない状態で展示されていた。

 

この車両のポールは1本で、進行方向を変えるときは車掌が紐を引いてポールの向きを後方へ反転させるものだった。

↓博物館明治村でのポール回し

 

2018年秋、市電展示室での初運転時動画では製作時通りの瞬時に回転し進行方向と大きくズレているポールが写っている。

本来この模型ではポールが反転して方向転換をする様に製作されていて、ポールがサーボモーター軸に直結しているため瞬時に反転し長さが60cmほどあるので観客を驚かせることもあった。そのうえモーターの回転角度が正確に180度ではなく170度程度で残りはベアリングを組込んだベース部が惰性で動く方式だったので、短距離の往復を繰り返すと、ポールの方向がどんどんズレて行くのであった。

 

 

そのため以後はポールは紐を車掌室の留め具に結びベアリング部が空転するだけにしていた。

 

その後、黒いサーボモーターがポール回転サーボの代行をするポールを回さない反転回路を製作して挿入していた。

 

 

「ポールをゆっくり回したい!」とメンバーからの声もあり回転サーボモータ部の置換えに低速のギヤボックスを組込んだ機構を製作し先日のお披露目となった。

 

 

今回の試作ギアボックスのテスト動作シーン。

下側で左右に回転するのが(回転角度は異なるが)実機で言うと今までポールを回していたサーボモーター、その回転方向によりマイクロスイッチを作動させて上のアルミ板の下のギヤボックスのモーターへの極性を切り替えて反転させる。

ゆっくり回る黒いつまみの軸がギヤボックスの軸でつまみがマイクロスイッチを作動させ180度での停止と、車体の走行電源を逆転させるリレーへも信号を送る。

この軸が新しいボール回転軸となり、つまみと反対側を従来のポール軸と連結しゆっくりと回転することができる。

装置は一体に見えるが、天井に取り付けるのはアルミ部分のユニットで見えてる側が底になり、乾電池から下のユニットは分離して車内に置く。

 

先日の拡大動画↓ではポールの回転が分かりにくかった。

動画にも写っているが、ポールが回転するのに気付いての反応が多くあり、一時ポールの回転を止めていた時間帯には注目を引きにくかった。

 

この反転機構を組込んで公開運転前日にテストを行った時の動画ではポールの回転具合が良く分かる。

 

 


 

京都電気鉄道後期型精密模型 目次

 

サーボモーターの動作テスター

 

低速回転ができるギヤボックス

 

今回の装置では2個×4か所で合計8個を使用