壁際鉄道 曲線緩和工事3 | レールは、こころをつなぐ道。

本線最後の曲線緩和工事箇所は…


前記事路線図 右上隅のカーブで左方向の犬吠駅から、夏にはウインドウエアコン前面ギリギリに、ダブルトラス橋を渡ったところで、外回り線は正面に棚板の支柱があるため一旦左へ15度避けてから105度右カーブをとり井中駅へ向かうS字カーブの場所である。

レールは、こころをつなぐ道。-トラス橋を渡り


左カーブと右カーブの間には脱着用のバリアブルレールを挟んでいて、この部分の曲線は棚板の奥行きなどから外回り線でも半径280ミリではなくもう1サイズ小さい一般用曲線では最小の243ミリの曲線を使用している。


レールは、こころをつなぐ道。-曲線部分

この小さなS字カーブの間にバリアブルレールを挟む方式は、車体が急カーブで進行方向を変える不安定な状態でバリアブルレールを通過するため、進入速度や車両やカプラーの状態によっては脱線の発生が起きやすい場所だった。


バリアブルレールとは線路長を70~90ミリに調整できる線路で、その可動部は両側からの薄いレールが重なっていて、線路状態が微妙で、時には導通不良が起きる事もあるレールである。

レールは、こころをつなぐ道。


ここは端部ユニットなので外側へ移動することで脱着できるので、脱着用バリアブルレールを廃止することにした。


バリアブルレール部は約80ミリ長での使用なので差し替えられる直線レールはないので方策を検討し、長さはほぼ同じで、左右は6ミリ程度差異があるがユニットのサイズ調整などで吸収できる次の案を採用した。

それは、旧線路105度曲線の手前側から15度の位置には直線18.5ミリが挿入されていたのを15度手前の105度カーブ手前に移動し大きな曲線541-15度でトラス橋と接続した。コンクリート高架橋は曲線541-15のベースユニットから飛び出た部分が無理なく収まる程度に少しやすりで削ってそのまま流用した。


レールは、こころをつなぐ道。



試運転を行ったところ高速で通過しても振れが少なく体勢を崩す車両もなく、スムーズに列車が通過するので、ここの改良工事が最も有効だったようだ。