6月12日
世の中に「HORN」に対する関心が高まりつつある中、ニュースが流れた。
「本日のニュースです。本日未明、衆議院議員N氏が何者かによって殺害されたことが明らかになりました。」
僕は思った。これは、きっと「HORN」の仕業だと。学校に着くと、
「おい!矢城!このニュースみろよ!」
と、クラスメイトが言う。
「大変なことになったね。」
「やばいよ。」「でもこいつ未成年と淫行してたって噂だぜ?」「マジ?最悪じゃん!」「死んで当然か。」
クラスは、ずっと騒がしく今朝のニュースについて話していた。その時だ、全員がピタリと話すのをやめた。
「こんにちは!「HORN」です。皆さん、昨日の投票結果からN氏の殺害が決定されました!またひとつ日本は美しくなったのです!」
クラスでは、
「おー!すげ!」「やっぱり、良いやつなんじゃね?」
と盛り上がり出していた。
「本日の19時きっかりに大事な発表をします。それではまた!」
その後ネットでは、「HORN」を救世主とした、人間までもが現れた。その動きは、日本中で、広がった。そして、19時が訪れた。
「こんにちは!みなさん!「HORN」です。皆さんに伝えるべき大切な連絡というのは、2つあります。1つは、私がやろうとしていること。2つ目は、皆さんにお願いしたいこと!」
彼は少し間を開けて、再び口を開いた。
「今、この日本では、70年前、アメリカ軍が来て作った。社会のシステムで動かされている。その結果、政治家の汚職。政権を巡った見にくい争い。そのせいで世界は日本は何一つ進化しない。国民は、自分たちのことばかり考えて、パワハラだのなんだのと、自分たちの権利の盾に、周りの人間を巻き込んで不幸にしていく。それに怯えて皆、権利に恐れて!自らの意見を一切示せずにいる。こんな世界で良いのか!このままで!本当にいいのか!あなた達は、幸せなのか!本当に!だから、私は変える。世の中をこの国を。全く新しい世の中に。70年前、日本に洗濯機は、なかった。しかし、今、日本には、洗濯機がある。あの時洗えなかったものは、今なら洗い落とすことが出来る。」
そこで彼は肩を下ろししっかりと、力強くこう言った。
「今一度日本を洗濯しようと思う。」
教室は、静まり返った。世間は彼がただの猟奇殺人者でも救世主でもないと知った。彼は、革命を起こそうとしていることを知った。
「だから、皆に協力して欲しい。新しい世界を作るためには皆の協力が絶対に必要だ。今から皆、僕の話を聞いて協力したいと思った人は、HORNersで、現在総理大臣のY氏の名前を入力してくれ。あとは、任せろ。」
僕は一人自分の部屋でその放送を見ていた。ネットでは、「HORN」に賛成するかどうか、大勢の人間が、議論していた。