亜鉛シリーズ②肝硬変はどうして低亜鉛血症になるの? | 消化器内科ゴロ寝お勉強日記

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病棟スタッフの皆さんに、日常業務の役に立つ情報を提供しようと思います。ゴロ寝しながらでもサクサク読めて、必要な知識だけ頭に入るような内容にしようと思いますので、是非暇なときに一読して下さいね!

さてさて連日亜鉛シリーズです。

正直亜鉛シリーズを書き始めたことでしばらくネタに困らなくなったなw

と思って安堵しております。

 

昨日、サクッと肝硬変は低亜鉛状態になりやすいと書きましたから

皆さんの理解を促進するために本日はその機序について書きたいです。

 

亜鉛は消化管から吸収されると血中で

アルブミン、α2マクログロブリン、アミノ酸などと結合する。

肝硬変ではアルブミンが低下するので、

アルブミンと結合する亜鉛の量が減る分

アミノ酸と結合する亜鉛の量が増える

アミノ酸と結合した亜鉛は尿中に排泄されやすいため

肝硬変では亜鉛の尿中排泄は増加する

低亜鉛血症のできあがり

 

とまぁこういうわけですね。

簡単ですね。

 

薬屋さんがよく

Child pugh分類がA→B→Cと進行するにしたがって

低亜鉛血症を合併している患者の割合も増えます、

なんて説明していますけど、

そんなの当たり前ですよね。

肝硬変が進めばアルブミンがどんどん下がるんですから。

 

てなわけで肝硬変と低亜鉛血症はそもそも

切っても切り離せない関係にあるわけです。

 

なんか「切っても切り離せない」っていう表現

ものすごく久しぶりに使った気がします。

 

皆さんよい週末を。