前回までで、感染症の診断名が決まればその原因となっている細菌の種類が推測できるようになりました。
今回はどのタイプの細菌をどんな抗菌薬で治療するか、という内容になります。
今後いろんな種類の抗菌薬を勉強していくことで、「なーるほどーだからこの種類の抗菌薬が使えるのね」となっていくと思いますが、今回はひとまず若干鵜呑みにしながら覚えていただかざるを得ないことをお許し下さい。
では。
グラム陽性球菌(GPC)
使う抗菌薬は
ペニシリン系(スルバシリン、ゾシンなど)
第1世代セフェム(セファゾリン、ケフラールなど)
第2世代セフェム(セフォチアム、セフメタゾールなど)
グラム陰性桿菌(GNR)
使う抗菌薬は
第2世代セフェム
第3世代セフェム(セフトリアキソン、ワイスタールなど)
ニューキノロン系(クラビット、シプロキサンなど)
嫌気性菌
使う抗菌薬は
(合成)ペニシリン(結局スルバシリン、ゾシン)
セフメタゾール
クリンダマイシン(=ダラシン)
メトロニダゾール(=フラジール)
「うわ、一気に羅列じゃねーかよ」
と思われた方が多いかと思います。
でも使える抗菌薬を全部書いたわけではなくて、最初に使うならこの辺だよね的なものだけ書いてあるので、なんとか覚えていただけるとありがたいですね。
特に嫌気性菌については、
く○○系抗菌薬を使います、という覚え方ではないのでより暗記感が高まりますね。ホントに嫌気性菌については殺せる抗菌薬を個別に羅列で覚えるしかないです。
今後の連載で抗菌薬の個別レクチャーを読むことで徐々に考え方が身についていけば、決して暗記ではなく考えて抗生剤を選ぶことができるようになります。
そこを目指してがんばりましょう!
本日は以上です!