受験のトレーニングをしていると
まず、覚えることが必要になります。
(日本の試験の基本は記憶力と手際のよさの判定です)
大学受験のころは毎日暗記を(特に英単語)繰り返していましたが
やっぱり忘れます。
そうすると
いつものことですがふがいない自分のことを責めました。
なんと物覚えが悪いのか!
その後、40歳を過ぎてから必要に迫られて資格の試験勉強を始めて
そうではないと思えてきました。
人間の頭はまず忘れるようにできています。
忘れないと大変なことになります。
頭の中があふれてしまいます。
人間の行動のほとんどは反射のレベルでおこなわれます。
小脳や間脳で処理してしまいます。
そのうちで、習慣になっていないこと、判断が必要なことだけを意識します。
そして、ほとんどの記憶は短期記憶として扱われます。
必要がなくなったら頭の中から消えるということです。
その中で物語となったものだけが残ります。
(記憶とは事実ではなく物語なのです)
「覚えるため」にものを「覚える」のは
もともと、人間の頭のしくみに反しています。
そこから、考えられるのは
無理に覚えようとするのではなく、
何となくでいいので繰り返すことです。
(がむしゃらに真剣にする必要はありません)
繰り返すうちに記憶が定着するということです。
繰り返すうちに体が慣れてきます。
ですから
必要なのは覚えようとするのではなく
繰り返すことです。
忘れてしまう自分を責める必要はないのです。
忘れて繰り返すのです。
むしろ、忘れまいと考えれば自分を追いつめてしまいます。
それは習慣をつくることです。
習慣をつくるうちに
(たとえば、英文なら必ず毎日簡単な文章を読むことでも)
一つ一つの記憶は結びついて
自然に記憶の塊となっていきます。
必要なのはその手間を惜しまないことです。
その時に合理的な自分でメニューを作れる人は手際よく覚えることができます。
それができない人はできる人の力を借りることです。
わたしの仕事の一つはそのためのメニューをつくることです。