オトナのための国語キソ16 小論文・作文で必要な「反論の技術」 「批判」と「異論」の違い | 母親ひとり親の医療の学校の受験・修学手助けします

母親ひとり親の医療の学校の受験・修学手助けします

学資・生活費・修学の相談から受験トレーニングまで。オトナ、特に母親ひとり親が「自立できる資格がとれる学校に入る」手助けをします。合格報酬・延べ払い制(交通費・雑費・入試受験料は自己負担)問い合わせは tkano0222@gmail.com、Line公式ID@026nzpas

 

医療の学校の入学試験では一般入試でも特別入試でも小論文か作文が必修です。

題を示されて文章を書くためには

・文章を書くための材料

・文章を構成する技術

が必要です。

 

今回は文章を構成する技術の話をします。

 文の骨組を作る時に注意しなければならないのは

自分の議論を第三者的にみつめ、批判し、それに答えるようにして議論を組み立てていくことです。

何もないところに自分の意見や議論が単独で湧いてくるものではない。

意見を主張し、議論を作ることを要求されるのは

他の意見に対する批評を要求されているということです。

 

さらに

そこでは「問題点の提示」と「その解決」が求められます。

(ここでいっている「解決」とは「提示」に対する「結論」を意味します)

 もともと、議論・論文の目的は

意見を互いに否定しあうことによって、より高次の意見に高めることです。

そのためには、意識的に「対立(反論)」を作り出す必要があります。

 

意識的に「対立」をつくるためには「反論の技術」を訓練する必要があります。

『反論の技術―その意義と訓練方法―(香西秀信)』という本があります。

おそらく、反論から文章を書くための技術の訓練を取り上げた唯一のものだと思います。

 

その中で

・意見を述べるとは反論することである

・誰もが認めるような意見は反論する題材として不適当

・正しいから反論できないのではない、反論できないから正しいのだ

・論理的であるとは、異なる意見の者からの批判に対して防衛力がある

など、反論に対する本質的な説明が前半でなされています。

ここだけでも、なるほど!と思える説明が多いです。

 

また

『論理トレーニング(野矢茂樹)』では批判の仕方についての分析がされています。

この本は東京大学での集中講座の内容を元にしたものです。

残念ながら東京大学でさえ基礎論理学の演習講座が常設されていません。

それは日本では東大でさえ基礎論理学が必修ではないということです。

基礎論理学の知識がないということは地図無しで山歩きをするようなものです。

その当たりから日本の大学が世界で評価されない理由が感じられます。

 

その中で広い意味での「批判」を「異論」と「批判」を分けています。

・立論……あることを主張し、それに対して論証を与えること。

・異論……相手の主張と対立するような主張を立論すること。

・批判……相手の立論の論証部に対して反論すること。対立する主張までは出していない。

(結論ではなく論証の仕方が間違っているという反論の仕方)

 

「異論」と「批判」のどちらを選ぶかは

いってみれば文章を書くときの戦術に当たるものです。

どちらを取るかによって文章の構成も変わってきます。