方程式・関数・恒等式は外形が同じか、よく似ているので
違いが分からなければ見分けがつきません。
でも
この違いをはっきり知ることは大変大事なことです。
違いが分からないということは
やっていることがよく分からないが問題だけは解けているということになります。
(要するに丸暗記と変わらず、簡単に忘れてしまうことができるということです)
方程式と関数は外見では見分けがつきませんが
◎「方程式」→ 特定の条件下のX(わからないもの)を求めるための式
xは未知数と呼ばれます。
数学では「代数」という分野になります。
わからないものをxと置くと
「鶴亀算」や「旅人算」のように解法を覚えなくても
手続きを知ることで問題を解くことが出来ます。
◎「関数」→ 「特定の条件」のときのXの値を求めるもの
もともと「関数」は英語ではfunctionといい、「働き」という意味です。
xに対する手続きを示した式です。
数学では「解析」という分野になります。
もともとは「函数」と書き
ブラックボックスを指していました。
金を入れたら商品が出てくる自動販売機のイメージです。
xに数字を入れてやると決まった値が出てくるしくみです。
条件が定まったときは方程式になるので
理屈さえわかれば機械的に方程式をいじれば解けます。
◎「恒等式」→ 等号 (=) を含む数式であって、そこに現れるあらゆる変数がどのような値にあっても、常に等号で結ばれた左右二つの数式の "値" が等しいもののこと。
ちょっと説明が分かりにくいですが左右の式の変数にどんな数を入れても=が成り立つ式です。
両辺の数式が=で結ばれた式は恒等式です。
(x+a)(x+b)= x2+(a+b)x+ab といった風にです。
abそれぞれにどんな数を入れても=の関係は変わりません。
よく公式に使われます。
この3種類の式は外見が似ていても意味することが全く違います。
この違いを知ることが数学の基礎です。
関数(函数)というものは人類の大発明の一つで
近代科学(特に物理)、技術は関数の考え方がなければ実用にはなりませんでした。
残念ながらそのすごさはなかなか分かりません。
ごく一部の学者は教えてくれています。
わたしも半世紀かかって言っていることがわかり始め
やっと最近、そのすごさがはじめて分かってきました。
学校教育では関数の意味することを教えるようにはなっていませんから。
それは
数学教師が教えるのは式の立て方と計算の仕方だけ
科学者は自分がやっていることは当たり前なので
考え方ではなくワザとしてとらえています。
他人にわざわざその意味のとらえ方、説明することなど考えることなど考えることもない。
誰も積極的に教えてくれないから気づかれないのも当然でしょう。
実際
Excelで関数と呼んでいても、関数が何のことか考えることはありませんね。