報道が興味本位のものではなく
社会に必要だからするものであるなら
必ず、その後の様子や報道への検証を習慣にしてもらいたいものです。
報道しっぱなしはその人をさらしものにするだけになってしまいます。
6月13日、読売新聞が8年前の原裕美子さんに対する報道から振りかえる形で、その後の記事を載せています。
※菓子万引きで7度逮捕、「食べ吐き」も…治療続ける元マラソン女王「必ず立ち直る」
記事には原さんが下総精神医療センター(千葉市)の平井愼二医師の「条件反射制御法」での治療を受けたことが紹介されています。
これまでの依存症に対する治療は
病気について知ることや、自分の心身の状態に気づくこと、飲まないための対処法を身につけることなどがとられることが多かった。
でも
それは内省的な治療がききにくい習慣化・重症化した人にはむずかしいものでした。
そこで
万引き病など依存症の治療に「条件反射制御法」がつかわれることが増えてきました。
法曹界でも最近、「治療的司法」という考え方がされるようになってきています。
「治療的司法」とは
刑事裁判の手続きの中で、単なる法的解決だけにとどまらず
犯罪の原因となった問題の解決にむけて
必要とされる医療・心理・福祉・その他のサポートを提供していく考え方です。
結果的に再犯も防ぎます。
弁護士だけでなく裁判官でも依存症による犯罪の知識をもつ人が増え
刑務所での服役よりも治療を求め
再犯での執行猶予判決が出ることが増えてきました。
その中でも「条件反射制御法」は高い評価を受けています。
「条件反射制御法」の説明と「治療的司法」との関係は
弁護士である西谷裕子さんのWEB SITEで知ることができます。
西谷さんが言うように
犯罪は、その人が、何らかの理由で、生きづらさや一人で解決できない問題を抱えて、トラブルに陥っている状態とみると
これを解決するためには
① 犯罪の原因を分析し、そのメカニズムを明らかにして、
② 必要な支援(医療、心理、福祉など)を与えること
わたしは犯罪のすべてをそのように考えるものでありませんが
報道で知るかぎりでは
実際の受刑者の内のかなり高い割合(7~80%以上か?)が当てはまるように思えます。
「条件反射制御法」は
条件付けから起きた依存を条件反射を中断させることで
欲求を感じにくく、再犯せずに耐えられる身体を作り上げていくという治療法です。
このような治療法を行っているのは関西では、「結のぞみ病院」(大阪府富田林市)があり、関東では、「下総精神医療センター」(千葉県)があります。