あやまち | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

二次会は同窓会の会場から少し離れた大手のカラオケボックスであった。


西川は当たり前のように私に体をぴったりとくっつけながら私の横に座った。


先ほどとは違う何とも艶かしい香水の香を西川から流れる・・


そして、先程よりさらに大きく開かれた胸元からは薄いピンクのブラジャーが見え隠れしていた。


一度、抱いた事がある女・・


そんな思いが自然と私の欲望と言う物に微妙な刺激を与える。


さりげなく西川の手が私の足に触るたびに私の股間は熱くなる・・


この女の狙いは解っていた。ここで理性を失ってはいけない。厄介ごとは御免である。


2時間ほどカラオケを楽しみ2次会もお開きになった。


時間は11時を少しだけ過ぎていた。


佐藤は歌も歌わずにただ、ひたすらお酒を飲んでいるいるようであった。


それはまるで何かを忘れるようにわざと自分を痛めつけているように感じた。


「そろそろ終電だから帰るよ!」


店の外に出ると私は3人にそう告げる。


「なら・・私も・・」


そう言いかけた西川の腕を強引に引っ張りながら木村が言った


「3次会!行こうぜ!西川ちゃん!」


木村のその行動が酔った勢いの無意識な行動なのか?それとも私に気を使った善意の行動なのか?


しかし、別れ際に木村が私の耳元で・・・


「誠!これは貸しだからな!」と呟いた所を見るとどうやら善意の行動らしい・・


「行こうか!」


私は佐藤にそう呟くと新宿の駅に向かい歩き始めた。


「佐藤・・いや!佐々木さんか!佐々木さんの家は?」


「えっ・・佐藤で良いよ!今夜は・・蒲田よ!」


「へぇ~俺は今、糀谷に住んでいるんだ!案外と近くに住んでいたんだな!」


「そう・・坂本君!糀谷に住んでいるの・・」


蒲田と糀谷は京浜急行の沿線で一駅ぐらいしか離れていない。歩いても20分と言うところだろうか?


蒲田に電車が着いたのは12時を少しだけ廻った頃であった。


「タクシーで送ろうか?もう、京急は走ってないから・・家は駅から近いのかい?」


そんな誠の言葉に佐藤は少しだけ沈黙した。


そして意を決したように呟いた。


「良かったら、少し飲んでいかない・・」と


いけない!欲望に負けては・・帰らないといけない・・断れ誠!断るんだ!


誠の心の中の善意がそう呟く・・・


行けば良いんだ!こいつ、何か企んでいるぞ!頂いちゃえよ!お前、この女を抱きたかったのだろ・・


そう誠の心の悪意が呟く・・・


「少しだけなら・・・」


善意は所詮は悪意には勝てないのかも知れない・・


誠と佐藤はゆっくりと歩きながら夜のネオン街に消えて行くのであった・・