顔晴れ! | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

私の石川に対する想いが信頼から愛情に変わるのにそんなに時間はかからなかった。

自然に石川が自分の事も話し出した頃からだったと思う。

奥さんは厳しい人で何時も窮屈な生活をしている。自分の行動、一つ、一つが気に入らないらしい・・自由が欲しい。安らぎが・・・

居場所が無いんだ!子供の為に離婚は出来ない!この子を父親の居ない子供にはしたくないんだ!だから離婚はしない。

居場所・・人は何時も自分の居場所を探している。本当は自分のパートナーが居場所のはずである。家庭と言う世界が本当は自分の一番、安らぐ事が出来る居場所のはずなのに・・

そして、家庭と言う場所に自分の居場所を諦めたときに人は違う場所を探し始める。

石川と話をするようになって一ヶ月後、私は彼と飲みに出かけた。

地元から大分離れた町の飲み屋に・・・

石川の妻と子供が妻の実家に帰省したそんな日の夜であった。

私は何時の間にか彼に抱かれていた。

初めて・・浮気と言うものを私はしてしまった。結婚して初めて旦那以外の男に抱かれた。

セックスが終わった後に石川は言い訳をするように呟いた。

「君を愛している・・」と

その日の夜、私は夜遅く自宅に帰宅した。そんな私に無関心のように旦那は理由を聞く事は無かった。

熱いシャワーを浴びながら私はなぜか泣いていた・・・

その涙の意味が正直、自分でも解らない。

久々に「なう」に書き込みをした。

「消えてしまいたい・・」

そんな私の書き込みにポンちゃんが直ぐに書き込みをくれた。

「どうした?まだいじめは続いているのか??」

「違うの!居場所が・・私の存在する本当の居場所が無いの・・」

きっと、誰にも意味が解らない不明な書き込みであったと思う。

そう、それは私だけしか解らない事であった。

ポンちゃんは優しい言葉を沢山、私にくれた。この人の奥さんは本当に幸せだと思う。

きっと、彼は奥さんの居場所でいるに違いない。

「人間は消える事なんか出来ないんだよ!」

不意にそう書き込んで来たのはベッキーであった。

なんとも珍しい・・

「そうね!人間はそんなに簡単に消える事なんか出来ないよね!」

「ああ・・そうだ!消える事なんか出来ない!なぜならそれが生きると言う事だからさ!」

私はそんなベッキーの書き込みを見ながらまた、泣いていた。

その晩、ヒデちゃんからの書き込みは一度も無かった・・

雪にまんまと成り済ます事に成功した清美は毎日のようにポンにメールを送り続けた。

返ってる返事からポンがドンドン、雪と言う存在に没頭して行く様子が手に取るように解った。

愛すのよ!後戻り出来ないくらいに愛しなさい!

雪が居ないと気が狂ってしまうくらいに愛しなさい!

私があなたを愛したように・・


「良かったら飲みにでも行きませんか?」

そんなメールがポンから来たのはメールを始めて1ヶ月後ぐらいの事であった。


「本当ですか!嬉しい・・私もポンちゃんと会いたいと思っていたの!

でも、私、ブスだから・・あなたがもしも現実の私を見たら嫌われそうで怖い・・」

清美はそんな言葉を薄ら笑いを浮かべながらメールした。


「馬鹿だな!嫌いになんてなる訳がないだろ!僕は君の容姿なんか気にしてなんかいないよ!絶対に・・それに僕は本当に君を・・いや、会った時に話すよ!だから、そんな事は気にするなよ!」


嘘・・嘘ばかりね!あなたの言葉は・・

本当は色白の髪の長い女が好みのくせに・・

女は性格よりも顔と胸だよ!なんて平気で言えるくせに・・

そして心なんて言葉を使いながら平気で女を捨てれる男のくせに・・

約束の日、朝から冷たい雨が降っていた。

もちろん清美は待ち合わせ場所に行くつもりは無かった。

行かなくてももうポンは自分から離れる事は無い!そう確信していたからだ。

付き合っていた頃、何度もそんな辛い想いを経験して来た。

真冬の駅前で2時間も3時間も来ない誠をただ、待ち続けていた・・

それでも愛してるなんて思いは厄介で誠の元から去る勇気が無かった自分・・

誠はそんな自分のその時の気持ちをどの位、理解してくれていたのだろうか?

約束の時間が過ぎ何度も清美の携帯にメールの着信を知らせる音楽が鳴った。

その着信音を聞く度に清美の心は軽くなる・・

苦しいでしょ!待つ事は・・解る?この苦しみ・・

あんたは今までこんな苦しみを多くの女に与えて来たんだよ!

約束の時間を2時間ほど過ぎて誠からのメールは止まった。

その頃合を見て清美はポンにメールを送った・・