悪魔の戯言・・ | 僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死ぬ日・・生まれる日

僕が死んで・・生まれる日までの記録

「あんた、アメーバーのある人物のパスワードを手に入れられる?」

「えっ?誰のですか?出来ない事はありませんが・・・」

「そう!IDは解ってるのよ!それでなんとかお願い出来ないかしら?」

IDが解ってるなら直ぐに解ると思います!」

便利なオタクだと清美は薄笑いを浮かべた。

それから20分後に清美の携帯に須藤からメールが入った。

「本当は違法なんですよ!気をつけてくださいね!」

そんな題名のメールには雪のパスワードが記載されていた。

清美は管理画面からログインを行い雪の管理画面に繋げた。

雪と今日子が同一人物である事は確実らしい・・

今、まさに誠は今日子を捨ててこの雪と言う女を自分の手に入れようとしている。

これは使わない手は無い。

清美は雪の管理画面からポンにメッセージを送った。

「ポンさん!凄く悩んでいます。良かったら皆に内緒で相談に乗って貰えませんか?

メッセージだとお返事を見逃す危険性があるので直接メールを頂けませんか?」

そうメールを打ち最後に自分のメールアドレスを記載した。

自然と顔がほころんだ。とうとう・・時は来た!絶対にお前を地獄に落としてやる。

私が味わったあの苦しみをお前にも絶対に味合わせてやる。

清美は何度もそう呟きながらゆっくり送信ボタンを押した。

一つだけ不安が残された。ポンが自分が送ったメルアドを無視して返信で返事を送って来る可能性があると言う事だ。もしも、返信で返されたらこの計画は全てダメになる。

清美は祈るような気持ちで管理画面を見つめていた。

しかし、その心配は直ぐに解消された。メッセージを送って数分後に清美の携帯がメールの着信を知らせたからだ。

清美は震える手で携帯を取るとメールを開いた。

ポンからの返信メール・・

地獄の扉は開かれた!そしてその時から清美の復讐の始まりの合図であったのだ。

「君からそんな事を言われるとは思って居なかったよ!力になれるか自信はないけど気軽に話しかけてください。」

清美はそんなポンからのメールを薄笑いを浮かべながら見つめていた。

みゆきと言う女が私の「なう」に現れポンちゃんはあまり私の「なう」に来なくなってしまった。何度かポンちゃんにメッセージを送ったが結局返事は無い。

そして、仲間に入れてくれと言っていたみゆきさんもあれ以来、「なう」に姿を現す事はなかった。ふと、ポンちゃんとみゆきさんの間に何かあったのか?などと要らない詮索をしてしまう。まぁ・・大人なので何があろうとそれは基本的には個人の問題だと思うのだが

ただ、なんとなく嫌な感じがしたのはなんとなくな私の感なのかもしれない。

パートの仕事は自分が思っていた以上にハードな仕事であった。

そして、何よりも自分が会社員として働いていた時、以上にパートの世界の人間関係は複雑であった。そして元々、そんなに人間関係の要領が良くない私はそんな複雑な人間関係に困惑をしていた。

「あいつ、ちょっと生意気よね!」

3時間しか居ない職場なのにそんな陰口を何度、聞かされただろう。

私は要領が悪いのに他人の悪口や陰口を聞かされる事が苦痛であった。

川口さんと言う40代の女性のパートさんが居た。

なんとも仕事の要領が悪い絶好のいじめの標的になりそうな女性である。

そんな彼女を気遣って店長の石川は事あるごとに川口さんを気にかけていた。

そんな光景が面白くない数人のパート達がある日、川口さんに攻撃を開始した。

実に大人気ない子供じみたいじめ・・

私は見かねてそんないじめ軍団に注意をしてしまった。

「なに?あいつ・・新入りのくせに・・」

殆どの人間が余計な口を出す事がどれだけ自分のリスクになる事を知っている。

だからどんなに他人が酷いいじめにあっていても知らぬ存ぜぬを通すのだ。

ましてこの辺でここぐらい時給が良い職場など存在しない。

この職場を追われる事は生活に追われている主婦にとって大きな痛手であるに違いない。

そして次の日から私に対しての卑劣ないじめが始まった。

制服はゴミ箱に生ゴミまみれで捨てられていた。

あれだけ私に話しかけて来てくれた数人のパート達もその日から誰も口を聞いてくれなくなった。

事有るごとに私に対してのくだらない中傷が飛び交った。

そんな中、私は川口さんだけは自分の味方になってくれると信じていた。

だって、彼女の為に私はこんな状態になったのだ!そう言っても決して言い過ぎでは無いと思う。

「邪魔なんだよ!ゴミ!!」

そんな心無い言葉を言われながら私は多くのパート達に殴られ蹴られた・・

「助けて!」そんな目で川口さんを見つめる!

しかし、川口さんは私を助けようとしなかった。

それどころか、いじめグループの先頭になって私に罵声を浴びせた。

すがる様に私は川口さんを見つめる。

彼女はそんな私を見つめ薄笑いを浮かべて言った。

「あんた・・馬鹿ね!でも有難う!替わってくれて・・」と

私はこんな奴のためにこんな苦しみを背負ってしまったのか?

私は何とも言えない憤りを感じ唇を噛み締めた。

終わる事の無い卑劣ないじめ!私はきっと、ただのストレス解消の道具だったに違いない。